第28話 最強の助っ人アフロディ!
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エイリア学園マスターランクチーム相手に点を取った。思えば対エイリア戦で先制点を取ったのは初めてだ。チームが、完成に近づいているのを実感する。
それに何と言ってもアフロディだ。エイリア学園を倒す為に旅をしてきた雷門と遜色ない実力。アフロディはどれだけの努力を積み重ねたんだろう。
「あんな強烈なシュート見たことないぞ!」
「この攻撃力を雷門の為に……」
「最大の敵は最大の仲間になる!」
「昔は昔、今は今って訳だ!」
「いいぞ皆!このユニフォームを着れば、気持ちは一つ!皆で同じゴールを目指すんだ!」
十一の青と黄色がフィールドにある。答えはそれで十分だ。なんてことない。試合が終われば敵も味方もない。それは、アフロディも同じ!
「やるじゃないか。これが雷門と……円堂守と戦って得た力だというのか。叩き潰してやるよ」
「叩き潰すなんて、絶対にさせないから」
そう啖呵を切れば、ガゼルは嬉しそうに笑った。この状況で何でそんな顔するんだろう。逆に気まずくなって俯いた。
「美波、ポジションにつけ」
「あ、うん。ごめん」
訝しげな豪炎寺に声をかけられた。……今は試合に集中!
「見せてやろう。絶対零度の闇を!」
ガゼルが掲げた右腕を振り下ろすと、ダイヤモンドダストが仕掛けてきた。
フローズンスティールにウォーターベール。自陣深くまで入り込まれて、守兄とガゼルの一対一に持ち込まれた。
「フッ、凍てつくがいい!」
「来い!」
「ノーザンインパクト!」
「正義の鉄拳!」
「あの必殺技は……!」
周囲に冷気とオーロラが広がった。そして後ろ回し蹴りのボレーシュート。大きな氷塊がゴールに迫る。
ナニワランドでナンパしてきた男にぶつけてたやつだ。ボール無しで直接。もちろんあの時は手加減していただろうから、今放たれたのがガゼルの本気。
ぶつかり合った一瞬の後、正義の鉄拳は破られて同点に追い付かれてしまった。……流石、凄いシュートだ。
「この程度か、がっかりだね。潰させないんじゃなかったのかい?」
「まだまだ試合はこれからだよ、ガゼル!」
ガゼル、だなんて。やっぱり違うな。しっくりこない。風介は、風介だ。
1ー1で前半戦が終わった。まだ後半がある。それに試合展開としては互角の戦いが出来ている。後半で、必ず逆転するんだ!
「くっそー、物凄いシュートだったぜ」
「円堂さん……」
「心配すんな。究極奥義に完成なしだ!次は止める!そして勝つんだ!」
「フォローは任せて!」
「頼んだぞ、美波!」
互角の勝負が出来ているのは少し気が楽だ。ただ、ガゼル――風介のことが気がかりだった。
観客席から降りるヒロトと晴矢、通路の方へ向かった風介。このハーフタイムで、三人は何を話してるのだろう。
「何か考え事かい、美波?」
「え?ああ、いや、それよりさっきの凄いシュートだったよ!アフロディが来てくれて本当に良かった。ありがとう!」
「どういたしまして。僕の方こそ、雷門の力になれて良かったよ」
穏やかに微笑むアフロディ。そんなアフロディを、しろ君はどこか羨ましそうに見ていた。……後で話す時間作ろう。
後半。攻めと守りを交互に繰り返して、試合は一進一退の膠着状態に陥っていた。
どこもかしこも拮抗した勝負を繰り広げていて、これを崩した方が勝ちを取るのを直感的に確信する。
皆が慎重になっているのを感じる。少しのミスが命取りだ。攻めきれないもどかしさで、嫌な汗が出た。
流れを掴む決定打が欲しい。焦れた空気の中、立向居が深い位置から上がった。
「円堂さんを楽にするためにも、早く追加点を取らなくちゃ……!」
「っ、焦るな!立向居!」
視界の端にガゼルが指示を出したのが飛び込んでくる。次の瞬間、立向居はフローズンスティールでボールを奪われてしまった。
好機とばかりにダイヤモンドダストが攻めてくる。ボールはガゼルへ回った。……これじゃあさっきと同じだ!
「荒波!」
「! ……なかなかやるな!」
「ぐっ」
止めたはいいものの、直ぐに体勢を立て直したガゼルにショルダータックルをかけられた。バランスを崩した。ボールが浮く。まずい。
ガゼルが動く前に一か八かで頭から突っ込む。ヘディングで押し出されたボールは、一之瀬が拾ってくれた。あたしはそのままフィールドにダイブ。
「いったあ……」
「無茶をするね」
「無茶はあたしの必殺技だから!」
「……だから美波とのサッカーは楽しいんだ」
サッカーが楽しい。その言葉を聞けたことに、そんな場合じゃないと分かってるけど、嬉しくなった。
「手は必要かい?」
「いらない!」
立ち上がって逃げるように走り出した。絶対からかわれてる。試合中なのに。まるで昔に戻れたみたいで、でもそれを喜んでいる暇なんてない。
気づけばカウンターを決められていた。マークを振り切ったガゼルがシュート体勢に入る。
二度目のノーザンインパクト。負けじと守兄は正義の鉄拳を繰り出すけれど、パワーを殺しきれずに押し込まれた。
「勝つのは、我々ダイヤモンドダストだ!」
宣言したガゼルを守兄が睨みつける。……点を取らなければ勝てない。これ以上失点も出来ない。ならやる事は一つ!
「攻めるんだ!奴らにシュートチャンスを与えるな!」
『おうっ!』
攻撃は最大の防御!ダイヤモンドダストに攻撃させないくらいに、こっちが攻める!
今度は雷門の猛攻だ。一点差をつけられても、怯まず攻めの一手。五分の勝負なら最後の決め手は気持ちだ。
前半の得点もあって警戒してか、ボールを持ったアフロディにディフェンダーが三人迫る。
それでも冷静さを失わないアフロディが、フリーになったもう一人がゴール前へ上がったのを見逃がす筈もない。
「豪炎寺!」
「爆熱ストーム!」
すかさず放たれた豪炎寺のシュートが決まった。よし、これで同点に追い付いた!
「こんな……ことが……」
振り向けば、信じられないとでもいうような表情のガゼルが立っていた。
「あたし達は負けない!」
「私達だって、負ける訳にはいかない……!」
青い氷のような瞳が、ギラリと光った。……次、攻めてくる。
.
それに何と言ってもアフロディだ。エイリア学園を倒す為に旅をしてきた雷門と遜色ない実力。アフロディはどれだけの努力を積み重ねたんだろう。
「あんな強烈なシュート見たことないぞ!」
「この攻撃力を雷門の為に……」
「最大の敵は最大の仲間になる!」
「昔は昔、今は今って訳だ!」
「いいぞ皆!このユニフォームを着れば、気持ちは一つ!皆で同じゴールを目指すんだ!」
十一の青と黄色がフィールドにある。答えはそれで十分だ。なんてことない。試合が終われば敵も味方もない。それは、アフロディも同じ!
「やるじゃないか。これが雷門と……円堂守と戦って得た力だというのか。叩き潰してやるよ」
「叩き潰すなんて、絶対にさせないから」
そう啖呵を切れば、ガゼルは嬉しそうに笑った。この状況で何でそんな顔するんだろう。逆に気まずくなって俯いた。
「美波、ポジションにつけ」
「あ、うん。ごめん」
訝しげな豪炎寺に声をかけられた。……今は試合に集中!
「見せてやろう。絶対零度の闇を!」
ガゼルが掲げた右腕を振り下ろすと、ダイヤモンドダストが仕掛けてきた。
フローズンスティールにウォーターベール。自陣深くまで入り込まれて、守兄とガゼルの一対一に持ち込まれた。
「フッ、凍てつくがいい!」
「来い!」
「ノーザンインパクト!」
「正義の鉄拳!」
「あの必殺技は……!」
周囲に冷気とオーロラが広がった。そして後ろ回し蹴りのボレーシュート。大きな氷塊がゴールに迫る。
ナニワランドでナンパしてきた男にぶつけてたやつだ。ボール無しで直接。もちろんあの時は手加減していただろうから、今放たれたのがガゼルの本気。
ぶつかり合った一瞬の後、正義の鉄拳は破られて同点に追い付かれてしまった。……流石、凄いシュートだ。
「この程度か、がっかりだね。潰させないんじゃなかったのかい?」
「まだまだ試合はこれからだよ、ガゼル!」
ガゼル、だなんて。やっぱり違うな。しっくりこない。風介は、風介だ。
1ー1で前半戦が終わった。まだ後半がある。それに試合展開としては互角の戦いが出来ている。後半で、必ず逆転するんだ!
「くっそー、物凄いシュートだったぜ」
「円堂さん……」
「心配すんな。究極奥義に完成なしだ!次は止める!そして勝つんだ!」
「フォローは任せて!」
「頼んだぞ、美波!」
互角の勝負が出来ているのは少し気が楽だ。ただ、ガゼル――風介のことが気がかりだった。
観客席から降りるヒロトと晴矢、通路の方へ向かった風介。このハーフタイムで、三人は何を話してるのだろう。
「何か考え事かい、美波?」
「え?ああ、いや、それよりさっきの凄いシュートだったよ!アフロディが来てくれて本当に良かった。ありがとう!」
「どういたしまして。僕の方こそ、雷門の力になれて良かったよ」
穏やかに微笑むアフロディ。そんなアフロディを、しろ君はどこか羨ましそうに見ていた。……後で話す時間作ろう。
後半。攻めと守りを交互に繰り返して、試合は一進一退の膠着状態に陥っていた。
どこもかしこも拮抗した勝負を繰り広げていて、これを崩した方が勝ちを取るのを直感的に確信する。
皆が慎重になっているのを感じる。少しのミスが命取りだ。攻めきれないもどかしさで、嫌な汗が出た。
流れを掴む決定打が欲しい。焦れた空気の中、立向居が深い位置から上がった。
「円堂さんを楽にするためにも、早く追加点を取らなくちゃ……!」
「っ、焦るな!立向居!」
視界の端にガゼルが指示を出したのが飛び込んでくる。次の瞬間、立向居はフローズンスティールでボールを奪われてしまった。
好機とばかりにダイヤモンドダストが攻めてくる。ボールはガゼルへ回った。……これじゃあさっきと同じだ!
「荒波!」
「! ……なかなかやるな!」
「ぐっ」
止めたはいいものの、直ぐに体勢を立て直したガゼルにショルダータックルをかけられた。バランスを崩した。ボールが浮く。まずい。
ガゼルが動く前に一か八かで頭から突っ込む。ヘディングで押し出されたボールは、一之瀬が拾ってくれた。あたしはそのままフィールドにダイブ。
「いったあ……」
「無茶をするね」
「無茶はあたしの必殺技だから!」
「……だから美波とのサッカーは楽しいんだ」
サッカーが楽しい。その言葉を聞けたことに、そんな場合じゃないと分かってるけど、嬉しくなった。
「手は必要かい?」
「いらない!」
立ち上がって逃げるように走り出した。絶対からかわれてる。試合中なのに。まるで昔に戻れたみたいで、でもそれを喜んでいる暇なんてない。
気づけばカウンターを決められていた。マークを振り切ったガゼルがシュート体勢に入る。
二度目のノーザンインパクト。負けじと守兄は正義の鉄拳を繰り出すけれど、パワーを殺しきれずに押し込まれた。
「勝つのは、我々ダイヤモンドダストだ!」
宣言したガゼルを守兄が睨みつける。……点を取らなければ勝てない。これ以上失点も出来ない。ならやる事は一つ!
「攻めるんだ!奴らにシュートチャンスを与えるな!」
『おうっ!』
攻撃は最大の防御!ダイヤモンドダストに攻撃させないくらいに、こっちが攻める!
今度は雷門の猛攻だ。一点差をつけられても、怯まず攻めの一手。五分の勝負なら最後の決め手は気持ちだ。
前半の得点もあって警戒してか、ボールを持ったアフロディにディフェンダーが三人迫る。
それでも冷静さを失わないアフロディが、フリーになったもう一人がゴール前へ上がったのを見逃がす筈もない。
「豪炎寺!」
「爆熱ストーム!」
すかさず放たれた豪炎寺のシュートが決まった。よし、これで同点に追い付いた!
「こんな……ことが……」
振り向けば、信じられないとでもいうような表情のガゼルが立っていた。
「あたし達は負けない!」
「私達だって、負ける訳にはいかない……!」
青い氷のような瞳が、ギラリと光った。……次、攻めてくる。
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