第3話 倒せ!黒の11人!!
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ボールがラインを割って、一旦試合が止まる。そのタイミングで、あたしはフィールドに入った。
「えーっと、お待たせしました?」
「全くだな」
「うっ、鬼道……」
「でも、美波が入ってくれるなら心強いよ!」
「ありがとう、一之瀬!」
得点は0-0で、残り時間もあと少し。ボールをカットして前線に回すけど、あと一歩、得点に繋がらない。
疲労もあって、皆の動きもやや悪い。そんな中、守兄がセキュリティショットを止めた。
「鬼道!ラストチャンスだ!」
ボールを受けた鬼道が、一之瀬に回した。守兄と土門も上がって、ザ・フェニックスの体勢に入る。でもこれはフェイントで、本命は……。
「かかったな!美波ッ!」
「おう!マリンアクセル!でもって……豪炎寺!」
流れる水のようにディフェンダーを抜いて、フリーの豪炎寺へ。
「ファイアトルネード!」
豪炎寺のシュートは見事に決まって、そこで丁度試合終了。1-0で、雷門の勝ちだ!
相手がSPをしている大人だけあって、ディフェンスの上手いチームだった。……あたしも、もっと出来るようにならないと。そうじゃないと……。
「美波?」
「わっ……なんだ豪炎寺か。どうしたの?」
「いや」
すっと徐に上げられた手。あ、そういうことか。あたしも手を挙げて、手のひらを合わせる。勝ちっ!
そうしていると、財前総理の娘の、相手チームキャプテンの女の子がやってきた。
「負けたよ。流石は日本一の雷門イレブンだ!」
「いやー……って、今、なんて言った?」
「あたし、知ってたんだ。あんた達がフットボールフロンティアで優勝したチームだって」
『なんだって!?』
見事にハモる。そうか、あたし達が雷門だって、知ってたんだ……。
なんでも、財前総理──お父さんを助けたくて、強い仲間が欲しかったらしい。それで、あたしたちの実力を知りたかったんだって。
「あんたたちならエイリア学園に勝てるかもしれない。あたしと一緒に戦って欲しいんだ!パパを助けるために!」
「もちろんさ!」
『おう!』
「俺、円堂守!よろしくな!財前、えーっと……」
「財前塔子。塔子って呼んでよ!」
「じゃ、よろしくな!塔子!」
守兄と塔子が握手をする。エイリア学園を倒したいという気持ちは一緒だ。……一緒の、はずだ。
ちょっと離れたところからそれを見ていると、くるりと塔子は振り返ってあたしの方を向いた。
「あんた、円堂美波だよね。フットボールフロンティア、見てたよ!あんたと試合、やってみたかったんだ。今回は当たらなかったけど」
「あ、うん。今度やろう!女子同士よろしく!あたしのことは、美波って呼んで。守兄と被っちゃうから」
「おう!よろしく、美波!」
あたしも塔子と握手をする。塔子とはすぐに仲良くなれる、そんな気がする。
さて、これからどうするか考えよう。そういった雰囲気になった時だった。近くの大きなモニターにリュウジ──否、レーゼの姿が写ったのは。
大いなる力を見せるために地球に降り立ったというエイリア学園。……何が目的で、こんなことをしているのだろう。
『我々は野蛮な行為は望まない。お前達の星にある、サッカーという1つの秩序のもとにおいて、逆らう意味がないことを示して見せよう!』
ブツリ、と映像が切れた。
学校を破壊することは野蛮な行為じゃないのか。サッカーが秩序って何。逆らうも何も、一体何がしたいの。
沢山の疑問が、頭の中をぐるぐると回る。答えなんか出ないけれど。
SPさんたちの調べで、奈良シカTVという放送局が、映像の発信源だということが分かった。
早速乗り込むと、そこにはジェミニストームが待ち構えていた。テレビ局の屋上は、異質な空気に包まれている。
「レーゼ!」
レーゼは振り向くと、不敵に笑う。でも、視線は合わない。
その距離が、今のあたしたちの関係を示しているようだった。
→あとがき
「えーっと、お待たせしました?」
「全くだな」
「うっ、鬼道……」
「でも、美波が入ってくれるなら心強いよ!」
「ありがとう、一之瀬!」
得点は0-0で、残り時間もあと少し。ボールをカットして前線に回すけど、あと一歩、得点に繋がらない。
疲労もあって、皆の動きもやや悪い。そんな中、守兄がセキュリティショットを止めた。
「鬼道!ラストチャンスだ!」
ボールを受けた鬼道が、一之瀬に回した。守兄と土門も上がって、ザ・フェニックスの体勢に入る。でもこれはフェイントで、本命は……。
「かかったな!美波ッ!」
「おう!マリンアクセル!でもって……豪炎寺!」
流れる水のようにディフェンダーを抜いて、フリーの豪炎寺へ。
「ファイアトルネード!」
豪炎寺のシュートは見事に決まって、そこで丁度試合終了。1-0で、雷門の勝ちだ!
相手がSPをしている大人だけあって、ディフェンスの上手いチームだった。……あたしも、もっと出来るようにならないと。そうじゃないと……。
「美波?」
「わっ……なんだ豪炎寺か。どうしたの?」
「いや」
すっと徐に上げられた手。あ、そういうことか。あたしも手を挙げて、手のひらを合わせる。勝ちっ!
そうしていると、財前総理の娘の、相手チームキャプテンの女の子がやってきた。
「負けたよ。流石は日本一の雷門イレブンだ!」
「いやー……って、今、なんて言った?」
「あたし、知ってたんだ。あんた達がフットボールフロンティアで優勝したチームだって」
『なんだって!?』
見事にハモる。そうか、あたし達が雷門だって、知ってたんだ……。
なんでも、財前総理──お父さんを助けたくて、強い仲間が欲しかったらしい。それで、あたしたちの実力を知りたかったんだって。
「あんたたちならエイリア学園に勝てるかもしれない。あたしと一緒に戦って欲しいんだ!パパを助けるために!」
「もちろんさ!」
『おう!』
「俺、円堂守!よろしくな!財前、えーっと……」
「財前塔子。塔子って呼んでよ!」
「じゃ、よろしくな!塔子!」
守兄と塔子が握手をする。エイリア学園を倒したいという気持ちは一緒だ。……一緒の、はずだ。
ちょっと離れたところからそれを見ていると、くるりと塔子は振り返ってあたしの方を向いた。
「あんた、円堂美波だよね。フットボールフロンティア、見てたよ!あんたと試合、やってみたかったんだ。今回は当たらなかったけど」
「あ、うん。今度やろう!女子同士よろしく!あたしのことは、美波って呼んで。守兄と被っちゃうから」
「おう!よろしく、美波!」
あたしも塔子と握手をする。塔子とはすぐに仲良くなれる、そんな気がする。
さて、これからどうするか考えよう。そういった雰囲気になった時だった。近くの大きなモニターにリュウジ──否、レーゼの姿が写ったのは。
大いなる力を見せるために地球に降り立ったというエイリア学園。……何が目的で、こんなことをしているのだろう。
『我々は野蛮な行為は望まない。お前達の星にある、サッカーという1つの秩序のもとにおいて、逆らう意味がないことを示して見せよう!』
ブツリ、と映像が切れた。
学校を破壊することは野蛮な行為じゃないのか。サッカーが秩序って何。逆らうも何も、一体何がしたいの。
沢山の疑問が、頭の中をぐるぐると回る。答えなんか出ないけれど。
SPさんたちの調べで、奈良シカTVという放送局が、映像の発信源だということが分かった。
早速乗り込むと、そこにはジェミニストームが待ち構えていた。テレビ局の屋上は、異質な空気に包まれている。
「レーゼ!」
レーゼは振り向くと、不敵に笑う。でも、視線は合わない。
その距離が、今のあたしたちの関係を示しているようだった。
→あとがき