第34話 エイリア学園の正体!
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「……覚えてたんですね、あたしのこと」
「ええ、思い出しましたよ。なかなか他の子に関心を持たなかったヒロトが、貴方には心を開いた。印象に残っていまして」
「そうですか」
笑ってはいるものの、内心何を思っているんだかと心の中で悪態をつく。
……よく知ってるんだな、ヒロト君のこと。それでいて人間兵器にしようとしてるんだから、胸糞悪い。
「ま、待ってくれ!それ、どういう意味なんだ?」
「それは……」
「答えてくれ」
「簡単な話ですよ。彼女はエイリア学園が人間なのを知っていた。ただそれだけです」
鬼道の追及にあたしが答える前に、穏やかな笑みを湛えたまま、吉良がそう返した。
「マジかよ。なあ、美波?」
「……嘘じゃないよ、条兄。知ってたし、助けてあげて欲しいって頼まれた。だからあたしは、今日まで戦ってきたんだ」
皆何も言わないし、言おうともしない。その沈黙が逆に苦しくて、辛くて、痛くて、大きく息を吐いた。
「すぐには思い出せなかったけど、監督にも会ったことあるんだ」
「じゃあ何で、何で言わなかったんだ!こんな大事な!」
「……ごめん」
「美波……!」
「エイリア学園が人間だなんて、ましてや、友達なんて、無茶苦茶じゃん」
ただでさえ世間を大騒ぎさせてる宇宙人が、実は人間でしたなんて、友達だなんて、言える勇気はあたしに無かった。
エイリア学園が起こした数々の事件はとても重くて、非難されていた。そんな彼らが友達だと知れたら、今度はあたしもって、思ってしまった。
それに、知っていた理由の、昔会ったことがある証拠も無い。あるのは、思い出の中の彼らだけ。
「ヒロト達とは会ったことあるんだ。一緒に沢山遊んで、サッカーして、確かに皆笑ってた」
でも今は違う。雷門と戦う中で昔のような笑顔を見れた時もあったけど、それ以上に、役に立とうと、捨てられたくないと必死だった。
「……もう止めて下さい。人間を兵器にするなんて、絶対におかしいです!何でこんなことするんですか!」
「貴方なら理解して頂けると思っていたのですが、どうやら検討違いだったようですね」
「わかるわけないし、わかりたくもない。ましてやサッカーを破壊活動に使うなんて、間違ってる」
わざとらしく悲しげに目を伏せた吉良に苛立ちが募った。雷門や瞳子さんまでも利用していた。そのことに対する怒りもある。
それより何より、ヒロト君達を思うと、感情が爆発してしまいそうだ。ハイソルジャーなんて、どんな気持ちで……。
「……瞳子さんのお兄さんが、関係してるんですか」
感情を押し殺して、カマをかけてみる。僅かに、本当に少しだけだけど、吉良の眉が動いた。やっぱりそうなんだ。
確信が持てた。どういう風に関わってるのかは分からないけど、瞳子さんのお兄さんが、きっとこの戦いの、きっかけ。
「さあ、試合の準備をして下さい。ジェネシスが待ってますよ」
すぐに表情を戻した吉良はそう言って、その場から立ち去った。
再び訪れる沈黙。言った。やっと、言えた。けど、皆の顔を見るのが怖くて、振り向けない。
瞳子さんの表情も暗いままだ。多分、真・帝国やしろ君のことを考えてるんだと思う。
「私は今日まで、エイリア学園を倒し、父の計画を阻止するために戦ってきた。でも……貴方達を利用することになってしまったのかもしれない」
「瞳子さん……」
「私には、監督の資格は……」
「違う!!」
瞳子さんの言葉が途切れた時、守兄が叫んだ。
「監督は、俺達の監督だ!」
「!」
「監督は、俺達が強くなる為の作戦を考えてくれた!次に繋がる、負け方を教えてくれた!俺達の挑戦を見守ってくれた!だから、ここまで来られたんだ!」
守兄の力強い言葉に触発されたのか、監督に特に反抗心を剥き出しにしていた一之瀬が口を開いた。
「監督のやり方は好きじゃなかったけど、今なら分かる。監督はずっと、俺達のことを思っていてくれてたんだって!」
「スパイとかゆうてごめんなさい!」
「監督のこと疑って、すみませんでした!」
「あたし達は、監督に鍛えてもらったんだ!」
「そうです。エイリア学園のためじゃない……俺達自身のために!」
「監督に感謝っす!」
一之瀬を皮切りに、他の皆も、口々に思いを告げた。この戦いで一番辛かっただろうしろ君も、一歩進み出て、微笑んだ。
「僕も、監督に感謝しています」
「! 吹雪くん……」
「監督!俺達には、瞳子監督が必要なんです!最後まで一緒に戦って下さい!」
「皆……」
「(瞳子さん、良かった)」
そんな皆にあたしは背を向けて、一足先に用意された控え室へ足を向けた。
水道で手を流して火傷の応急処置。それからユニフォームに着替えて軽く屈伸をしていれば、皆も来てそれぞれ試合の準備をする。
ストレッチをして、靴紐を結び直して、気合を入れてる皆を、あたしはぼんやりと部屋を隅で見ていた。
皆気を使っているのか、誰も話しかけてこない。逆にそれが寂しく感じるんだから、あたしはどこまでも自分勝手だ。
皆のエイリア学園に勝つという思いが伝わってくる。そこに、あたしが混ざっても、いいのかな。
「行くぞ、皆。この試合は絶対負けられない。俺達の戦いが、地球の運命を決めるんだ!」
「今度こそ、本当の最終決戦ということだな」
椅子から立ち上がった守兄に、ニヤリとした笑みを浮かべながら鬼道が続けた。
「……瞳子さん」
「何かしら?」
「あたし、試合には出なくてもいいです」
「! 美波さん、何を……!」
皆の視線がまた突き刺さる。……痛いなあ。
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「ええ、思い出しましたよ。なかなか他の子に関心を持たなかったヒロトが、貴方には心を開いた。印象に残っていまして」
「そうですか」
笑ってはいるものの、内心何を思っているんだかと心の中で悪態をつく。
……よく知ってるんだな、ヒロト君のこと。それでいて人間兵器にしようとしてるんだから、胸糞悪い。
「ま、待ってくれ!それ、どういう意味なんだ?」
「それは……」
「答えてくれ」
「簡単な話ですよ。彼女はエイリア学園が人間なのを知っていた。ただそれだけです」
鬼道の追及にあたしが答える前に、穏やかな笑みを湛えたまま、吉良がそう返した。
「マジかよ。なあ、美波?」
「……嘘じゃないよ、条兄。知ってたし、助けてあげて欲しいって頼まれた。だからあたしは、今日まで戦ってきたんだ」
皆何も言わないし、言おうともしない。その沈黙が逆に苦しくて、辛くて、痛くて、大きく息を吐いた。
「すぐには思い出せなかったけど、監督にも会ったことあるんだ」
「じゃあ何で、何で言わなかったんだ!こんな大事な!」
「……ごめん」
「美波……!」
「エイリア学園が人間だなんて、ましてや、友達なんて、無茶苦茶じゃん」
ただでさえ世間を大騒ぎさせてる宇宙人が、実は人間でしたなんて、友達だなんて、言える勇気はあたしに無かった。
エイリア学園が起こした数々の事件はとても重くて、非難されていた。そんな彼らが友達だと知れたら、今度はあたしもって、思ってしまった。
それに、知っていた理由の、昔会ったことがある証拠も無い。あるのは、思い出の中の彼らだけ。
「ヒロト達とは会ったことあるんだ。一緒に沢山遊んで、サッカーして、確かに皆笑ってた」
でも今は違う。雷門と戦う中で昔のような笑顔を見れた時もあったけど、それ以上に、役に立とうと、捨てられたくないと必死だった。
「……もう止めて下さい。人間を兵器にするなんて、絶対におかしいです!何でこんなことするんですか!」
「貴方なら理解して頂けると思っていたのですが、どうやら検討違いだったようですね」
「わかるわけないし、わかりたくもない。ましてやサッカーを破壊活動に使うなんて、間違ってる」
わざとらしく悲しげに目を伏せた吉良に苛立ちが募った。雷門や瞳子さんまでも利用していた。そのことに対する怒りもある。
それより何より、ヒロト君達を思うと、感情が爆発してしまいそうだ。ハイソルジャーなんて、どんな気持ちで……。
「……瞳子さんのお兄さんが、関係してるんですか」
感情を押し殺して、カマをかけてみる。僅かに、本当に少しだけだけど、吉良の眉が動いた。やっぱりそうなんだ。
確信が持てた。どういう風に関わってるのかは分からないけど、瞳子さんのお兄さんが、きっとこの戦いの、きっかけ。
「さあ、試合の準備をして下さい。ジェネシスが待ってますよ」
すぐに表情を戻した吉良はそう言って、その場から立ち去った。
再び訪れる沈黙。言った。やっと、言えた。けど、皆の顔を見るのが怖くて、振り向けない。
瞳子さんの表情も暗いままだ。多分、真・帝国やしろ君のことを考えてるんだと思う。
「私は今日まで、エイリア学園を倒し、父の計画を阻止するために戦ってきた。でも……貴方達を利用することになってしまったのかもしれない」
「瞳子さん……」
「私には、監督の資格は……」
「違う!!」
瞳子さんの言葉が途切れた時、守兄が叫んだ。
「監督は、俺達の監督だ!」
「!」
「監督は、俺達が強くなる為の作戦を考えてくれた!次に繋がる、負け方を教えてくれた!俺達の挑戦を見守ってくれた!だから、ここまで来られたんだ!」
守兄の力強い言葉に触発されたのか、監督に特に反抗心を剥き出しにしていた一之瀬が口を開いた。
「監督のやり方は好きじゃなかったけど、今なら分かる。監督はずっと、俺達のことを思っていてくれてたんだって!」
「スパイとかゆうてごめんなさい!」
「監督のこと疑って、すみませんでした!」
「あたし達は、監督に鍛えてもらったんだ!」
「そうです。エイリア学園のためじゃない……俺達自身のために!」
「監督に感謝っす!」
一之瀬を皮切りに、他の皆も、口々に思いを告げた。この戦いで一番辛かっただろうしろ君も、一歩進み出て、微笑んだ。
「僕も、監督に感謝しています」
「! 吹雪くん……」
「監督!俺達には、瞳子監督が必要なんです!最後まで一緒に戦って下さい!」
「皆……」
「(瞳子さん、良かった)」
そんな皆にあたしは背を向けて、一足先に用意された控え室へ足を向けた。
水道で手を流して火傷の応急処置。それからユニフォームに着替えて軽く屈伸をしていれば、皆も来てそれぞれ試合の準備をする。
ストレッチをして、靴紐を結び直して、気合を入れてる皆を、あたしはぼんやりと部屋を隅で見ていた。
皆気を使っているのか、誰も話しかけてこない。逆にそれが寂しく感じるんだから、あたしはどこまでも自分勝手だ。
皆のエイリア学園に勝つという思いが伝わってくる。そこに、あたしが混ざっても、いいのかな。
「行くぞ、皆。この試合は絶対負けられない。俺達の戦いが、地球の運命を決めるんだ!」
「今度こそ、本当の最終決戦ということだな」
椅子から立ち上がった守兄に、ニヤリとした笑みを浮かべながら鬼道が続けた。
「……瞳子さん」
「何かしら?」
「あたし、試合には出なくてもいいです」
「! 美波さん、何を……!」
皆の視線がまた突き刺さる。……痛いなあ。
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