第34話 エイリア学園の正体!
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息を大きく吸って、吐く。無機質な鋼鉄で出来た建造物へ歩き出そうとしら、皆を呼び止める声が聞こえた。
振り返るとそこには響木監督が立っていた。驚くのと同時に、何でここに、というかいつの間に来たのかと首を傾げる。
しろ君に誰かを教えてる立向居を見ながら考える。疑問は色々あるけど、ここまで来てどうしたんだろう。
「俺はこれまでエイリア学園の謎を探っていた。そして、やっと答えに辿り着いた。エイリア学園の黒幕は――お前だ!」
『えーっ!!!』
「……は?」
響木監督が指を指した先には、目を見開く瞳子監督がいた。皆が驚きの声を上げて、その目がまた疑念の色に変わった。
……ちょっと待ってよ!何でそうなっちゃうんだ。急過ぎて頭が追い付かない。黒幕は監督じゃなくて……。
「監督の……」
「どうかしたか」
「え、あ、なんでもない」
「瞳子監督がエイリア学園の黒幕って、どういうことなんですか!響木監督!」
「それは彼女が自ら明らかにするべきだろう。円堂達をジェネシスと戦わせるのならば、全てを話す責任がある」
そもそも瞳子監督は響木監督が連れて来たんだ。それを黒幕だなんて、無茶苦茶が過ぎる。
もしかすると、黒幕だというのも本気で言ってるんじゃなくて、全てを話させるための流れを作ろうとしてるのかもしれない。
瞳子監督は、エイリア学園が人間なのを知っている。その目的も、誰が始めた計画なのかも。
そしてそれを告げずにあたし達を率いてきた。そういう意味では、黒幕と言えるのかもしれない。……そして、あたしも。
全てを話す責任。あたしにもあるものだ。皆の視線が、一瞬だけあたしに集中した。
「全ては……あの中にあるわ」
その言葉に促されるように、全員がキャラバンに乗り込む。
一際大きい扉の前まで行くと、瞳子監督が携帯のボタンをいくつか押す。すると、扉が音を立てて開き始めた。
打ち込んでいたのは承認コード。これで皆の中で、瞳子監督がエイリア学園と何らかの繋がりがあることが、確信に変わったと思う。
人気のない静かな通路を、キャラバンは進んで行く。
「誰もいませんね……」
「エイリア学園っていうから、宇宙人の生徒がいっぱいいるのかと思ったぜ」
「どんな生徒や」
宇宙人なんか最初からいなかったんだ。いたのは、普通のあたし達と同じ人間の子供。
戦う以外の選択肢は、本当に無かったのかな。皆が、傷つかずに済む道は。
……ううん。結局、こうなるしかなかったんだ。止める為には、どの道サッカーで戦うしかなかった。
「(本当、情けないな)」
ここまで来ても、まだもしもを考えるなんて。誰も傷つかないなんて甘いこと、無理なのに。最初からわかってたはずのに。
ぼんやりと考えてたら、キャラバンが止まった。何だろう、ここ。ホール?
「いつまで座っているつもりだ」
「……え、あ、あれ?」
「美波せんぱーいっ!もう皆降りちゃいましたよ!」
「ということだ」
「ああ……ごめんごめん」
「何か考えていたのか」
「え、いや」
「大方俺達に今まで黙っていた事についてだろうが」
「……何で分かんの」
「元々美波が分かりやすいのもあるが、その質問は今更過ぎるな」
ゴーグル越しに赤い瞳と目が合った。この瞳を見る度に、鬼道には全部お見通しだなって思う。流石は天才ゲームメーカー。
「……監督。ここは一体何のための施設なんですか?」
「吉良財閥の、兵器研究施設よ」
「吉良財閥?」
「吉良って、監督の名字も吉良っすよね?」
「私の父の名は吉良星二郎。吉良財閥の総帥よ」
「自らの作り出した兵器で、世界を支配しようと企んでいる男だ」
世界を支配。復讐が目的だとは前に瞳子監督に聞いていたけど、これは衝撃的だった。それに、兵器を作ってるなんて。
一度だけ吉良さんに会った時のことを思い出す。あの優しそうに笑ってヒロト君達を撫でていた人が、どうしてそんなことを……。
「何か、とんでもないことに巻き込まれてないか、俺達」
「兵器研究施設がジェネシスのホームグラウンド……」
「エイリア学園はただの宇宙人じゃない、監督はそう言いましたね?」
「ええ」
「兵器開発とエイリア学園。一体どんな関係があるんですか?」
「全ては……エイリア石から始まったの」
「エイリア石?」
エイリア石。人間に力を与える、この戦いの原因。皆が首を傾げるのを横目に辺りを見回していると、突然扉が開いた。
その先には、パッと見て警備ロボットと形容出来そうなロボットがずらりと並んでいる。そして足元にはボール。……嫌な予感しかしない!
「うわああああっ!」
案の定鋭いシュートが飛んできて、一旦脇の通路に隠れることになった。
「皆、力を貸してくれ」
そう言った鬼道の作戦は、まずあのボールをカットして、シュートをぶつけて機能を停止させるというもの。
「頼んだぞ」と鬼道はあたしの肩を軽く叩いた。……頼まれたのが、嬉しかった。目配せして、一斉に切り込む。
一通りボールが無くなるまでカットすれば、もう怖くない。豪炎寺に回せば、強烈なシュートによってロボットは動きを止めた。
一撃で仕留めるなんて、流石は雷門が誇るエースストライカーだ。
普段ならそう本人に伝えるのに……今日はそんな気にはなれなかった。
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振り返るとそこには響木監督が立っていた。驚くのと同時に、何でここに、というかいつの間に来たのかと首を傾げる。
しろ君に誰かを教えてる立向居を見ながら考える。疑問は色々あるけど、ここまで来てどうしたんだろう。
「俺はこれまでエイリア学園の謎を探っていた。そして、やっと答えに辿り着いた。エイリア学園の黒幕は――お前だ!」
『えーっ!!!』
「……は?」
響木監督が指を指した先には、目を見開く瞳子監督がいた。皆が驚きの声を上げて、その目がまた疑念の色に変わった。
……ちょっと待ってよ!何でそうなっちゃうんだ。急過ぎて頭が追い付かない。黒幕は監督じゃなくて……。
「監督の……」
「どうかしたか」
「え、あ、なんでもない」
「瞳子監督がエイリア学園の黒幕って、どういうことなんですか!響木監督!」
「それは彼女が自ら明らかにするべきだろう。円堂達をジェネシスと戦わせるのならば、全てを話す責任がある」
そもそも瞳子監督は響木監督が連れて来たんだ。それを黒幕だなんて、無茶苦茶が過ぎる。
もしかすると、黒幕だというのも本気で言ってるんじゃなくて、全てを話させるための流れを作ろうとしてるのかもしれない。
瞳子監督は、エイリア学園が人間なのを知っている。その目的も、誰が始めた計画なのかも。
そしてそれを告げずにあたし達を率いてきた。そういう意味では、黒幕と言えるのかもしれない。……そして、あたしも。
全てを話す責任。あたしにもあるものだ。皆の視線が、一瞬だけあたしに集中した。
「全ては……あの中にあるわ」
その言葉に促されるように、全員がキャラバンに乗り込む。
一際大きい扉の前まで行くと、瞳子監督が携帯のボタンをいくつか押す。すると、扉が音を立てて開き始めた。
打ち込んでいたのは承認コード。これで皆の中で、瞳子監督がエイリア学園と何らかの繋がりがあることが、確信に変わったと思う。
人気のない静かな通路を、キャラバンは進んで行く。
「誰もいませんね……」
「エイリア学園っていうから、宇宙人の生徒がいっぱいいるのかと思ったぜ」
「どんな生徒や」
宇宙人なんか最初からいなかったんだ。いたのは、普通のあたし達と同じ人間の子供。
戦う以外の選択肢は、本当に無かったのかな。皆が、傷つかずに済む道は。
……ううん。結局、こうなるしかなかったんだ。止める為には、どの道サッカーで戦うしかなかった。
「(本当、情けないな)」
ここまで来ても、まだもしもを考えるなんて。誰も傷つかないなんて甘いこと、無理なのに。最初からわかってたはずのに。
ぼんやりと考えてたら、キャラバンが止まった。何だろう、ここ。ホール?
「いつまで座っているつもりだ」
「……え、あ、あれ?」
「美波せんぱーいっ!もう皆降りちゃいましたよ!」
「ということだ」
「ああ……ごめんごめん」
「何か考えていたのか」
「え、いや」
「大方俺達に今まで黙っていた事についてだろうが」
「……何で分かんの」
「元々美波が分かりやすいのもあるが、その質問は今更過ぎるな」
ゴーグル越しに赤い瞳と目が合った。この瞳を見る度に、鬼道には全部お見通しだなって思う。流石は天才ゲームメーカー。
「……監督。ここは一体何のための施設なんですか?」
「吉良財閥の、兵器研究施設よ」
「吉良財閥?」
「吉良って、監督の名字も吉良っすよね?」
「私の父の名は吉良星二郎。吉良財閥の総帥よ」
「自らの作り出した兵器で、世界を支配しようと企んでいる男だ」
世界を支配。復讐が目的だとは前に瞳子監督に聞いていたけど、これは衝撃的だった。それに、兵器を作ってるなんて。
一度だけ吉良さんに会った時のことを思い出す。あの優しそうに笑ってヒロト君達を撫でていた人が、どうしてそんなことを……。
「何か、とんでもないことに巻き込まれてないか、俺達」
「兵器研究施設がジェネシスのホームグラウンド……」
「エイリア学園はただの宇宙人じゃない、監督はそう言いましたね?」
「ええ」
「兵器開発とエイリア学園。一体どんな関係があるんですか?」
「全ては……エイリア石から始まったの」
「エイリア石?」
エイリア石。人間に力を与える、この戦いの原因。皆が首を傾げるのを横目に辺りを見回していると、突然扉が開いた。
その先には、パッと見て警備ロボットと形容出来そうなロボットがずらりと並んでいる。そして足元にはボール。……嫌な予感しかしない!
「うわああああっ!」
案の定鋭いシュートが飛んできて、一旦脇の通路に隠れることになった。
「皆、力を貸してくれ」
そう言った鬼道の作戦は、まずあのボールをカットして、シュートをぶつけて機能を停止させるというもの。
「頼んだぞ」と鬼道はあたしの肩を軽く叩いた。……頼まれたのが、嬉しかった。目配せして、一斉に切り込む。
一通りボールが無くなるまでカットすれば、もう怖くない。豪炎寺に回せば、強烈なシュートによってロボットは動きを止めた。
一撃で仕留めるなんて、流石は雷門が誇るエースストライカーだ。
普段ならそう本人に伝えるのに……今日はそんな気にはなれなかった。
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