第24話 うなれ!正義の鉄拳!!
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試合は完全に大海原ペースになってしまった。大海原の猛攻の度に、守兄がなんとか凌ぐ。
リードを守りきりたいところだけど、攻められっぱなしのままじゃ破られるのは時間の問題だ。
「美波!」
「うん!一之瀬っ!」
「よし!」
条兄をあっさりかわした一之瀬が攻め込む。でも、音村の4ビートという指示でクリアされてしまった。
タイミングをずらすのはもう通用しない。打開の糸口はどこにあるだろう。鬼道を見ると、動じるどころか余裕そうにしていた。
「鬼道、もしかしてまた何か分かった?」
「フ……まあな」
ニヤリという笑み。あ、これは間違いなく何かに気づいてる。条兄を一瞥した鬼道は、指示を飛ばした。
「フォーメーションチェンジだ!一之瀬をフォワードにあげて、一之瀬とリカの2TOPでいく!」
「2TOP?」
「待ってたで!いつかこんな日が来るんちゃうかって思ってたんや!ついに雷門最強フォワードコンビ結成や!」
「最強とは大きく出たね」
「見とき美波!ラブラブシュート決めたるでえ!」
「それまだやるの!?」
「……塔子は?」
「塔子は塔子、ダーリンはダーリンや!」
「そっか……頑張ってね一之瀬」
「美波、フォワードに興味ない?」
「あたしはほらディフェンダー一筋だから!」
「美波の攻撃力を活かすのも悪くないな。今度試してみるか」
「鬼道までノッて来ないで。あたしはまだまだだってば」
とにもかくにもこの作戦は、フォーメーションを攻撃重視にすることで流れを変えるものだ。
立向居のスローインを受けた塔子が条兄をかわす。次々に指示を出す鬼道のおかげて、さっきとは一転してボールはするすると繋がっていく。
少しだけ笑った鬼道と音村が、視線を合わせて火花を散らす。司令塔同士の戦いって奴だ!でもこっちは天才ゲームメーカーだからね!
負けじと奪い返した大海原が攻めてくる。簡単に行かせるもんか!
「荒波!鬼道っ!」
「リカ!」
「うおおおっ!」
「あ!」
またもや条兄のスーパー横っ飛びキャッチでパスカットされた。表情がさっきより晴々してて、条兄がコツを掴んだのを感じる。
きっと大海原はまたリズムを変えてくる。勝つ為に。だからこそ、絶対に勝ちたいって燃えるんだ!
全く譲らない、互角の攻防が続く。残り時間僅かに差し掛かって、抜け出した一之瀬が攻め上がっていく。そしてそれを条兄が奪った。
フィールドの魔術師の異名を持つ一之瀬から取るなんて、つい最近始めたなんて思えない。凄いポテンシャルだ。
でもそのままパスを出される訳にはいかないから、鬼道の指示でそれぞれマークにつく。
「だったら……撃つしかねえだろ!ツナミブーストッ!」
「ディフェンスエリアから!?」
突然打たれたまさかのロングシュートに、完全に不意を突かれてシュートブロック出来ない。マジン・ザ・ハンドも間に合わない!
ここで追い付かれるのかと思った時、守兄は拳を捻るように迎え撃った。かと思えば、拳の形をした気の塊が飛び出して、シュートを弾いた。
「何、あれ……」
前に読んだじいちゃんのノートを思い出す。究極奥義、正義の鉄拳のポイント。ギューンと書いてあったあれ。
ダンで踏み込んで、ギューンとぶつけて、ドカンと弾く。まさか、あれって。
ピッピー
ここで丁度ホイッスルが鳴って、試合は1ー0の雷門の勝ちで終わった。
「円堂さん!」
「守兄!」
驚いた表情で手を見ている守兄に皆が走り寄って来る。
「ギューンですよね円堂さん!ダン、ギューン、ドカン!今のは絶対正義の鉄拳ですよ!」
「だよねだよね!あたしもそう思った!」
「円堂、そうなのか?」
「確かにギューンって感じだったけど、俺無我夢中で……どうやって出したか全然覚えてないんだ」
「そういえば、咄嗟に出したって感じだったよね……」
すると条兄が、今の動きはサーファーが波に飲まれそうになった時にボードから吹っ飛ばされないようにする動きだと教えてくれた。
もしかすると、サーフィンが正義の鉄拳の鍵になるかも……。そう思ってたら、守兄が条兄にその動きをマスターしたいとせがんでいた。
「やめとけやめとけ。マスターって、素人がやって簡単にできる動きじゃねえんだぜ」
「そんなに難しいのか?」
「確かに海の上でバランスとるのって難しそう」
「でも俺覚えたいんだ、どうしても!覚えて、完成させたいんだ!」
「そりゃ気持ちは分かるけどよ……。気持ちだけじゃ出来ねえこともあんだからさ」
「でも綱海、お前には出来たよな」
「俺には?」
確かにそうだ。条兄は今までサッカーをやったことなかったのに、どんどん上達してる。
必殺技もできたし、その成長っぷりは凄い。その技は、どうしても点を取るんだという気持ちから出来たんだ。
そして守兄の熱意に負けた条兄は、サーフィンを教えてくれることになった。
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リードを守りきりたいところだけど、攻められっぱなしのままじゃ破られるのは時間の問題だ。
「美波!」
「うん!一之瀬っ!」
「よし!」
条兄をあっさりかわした一之瀬が攻め込む。でも、音村の4ビートという指示でクリアされてしまった。
タイミングをずらすのはもう通用しない。打開の糸口はどこにあるだろう。鬼道を見ると、動じるどころか余裕そうにしていた。
「鬼道、もしかしてまた何か分かった?」
「フ……まあな」
ニヤリという笑み。あ、これは間違いなく何かに気づいてる。条兄を一瞥した鬼道は、指示を飛ばした。
「フォーメーションチェンジだ!一之瀬をフォワードにあげて、一之瀬とリカの2TOPでいく!」
「2TOP?」
「待ってたで!いつかこんな日が来るんちゃうかって思ってたんや!ついに雷門最強フォワードコンビ結成や!」
「最強とは大きく出たね」
「見とき美波!ラブラブシュート決めたるでえ!」
「それまだやるの!?」
「……塔子は?」
「塔子は塔子、ダーリンはダーリンや!」
「そっか……頑張ってね一之瀬」
「美波、フォワードに興味ない?」
「あたしはほらディフェンダー一筋だから!」
「美波の攻撃力を活かすのも悪くないな。今度試してみるか」
「鬼道までノッて来ないで。あたしはまだまだだってば」
とにもかくにもこの作戦は、フォーメーションを攻撃重視にすることで流れを変えるものだ。
立向居のスローインを受けた塔子が条兄をかわす。次々に指示を出す鬼道のおかげて、さっきとは一転してボールはするすると繋がっていく。
少しだけ笑った鬼道と音村が、視線を合わせて火花を散らす。司令塔同士の戦いって奴だ!でもこっちは天才ゲームメーカーだからね!
負けじと奪い返した大海原が攻めてくる。簡単に行かせるもんか!
「荒波!鬼道っ!」
「リカ!」
「うおおおっ!」
「あ!」
またもや条兄のスーパー横っ飛びキャッチでパスカットされた。表情がさっきより晴々してて、条兄がコツを掴んだのを感じる。
きっと大海原はまたリズムを変えてくる。勝つ為に。だからこそ、絶対に勝ちたいって燃えるんだ!
全く譲らない、互角の攻防が続く。残り時間僅かに差し掛かって、抜け出した一之瀬が攻め上がっていく。そしてそれを条兄が奪った。
フィールドの魔術師の異名を持つ一之瀬から取るなんて、つい最近始めたなんて思えない。凄いポテンシャルだ。
でもそのままパスを出される訳にはいかないから、鬼道の指示でそれぞれマークにつく。
「だったら……撃つしかねえだろ!ツナミブーストッ!」
「ディフェンスエリアから!?」
突然打たれたまさかのロングシュートに、完全に不意を突かれてシュートブロック出来ない。マジン・ザ・ハンドも間に合わない!
ここで追い付かれるのかと思った時、守兄は拳を捻るように迎え撃った。かと思えば、拳の形をした気の塊が飛び出して、シュートを弾いた。
「何、あれ……」
前に読んだじいちゃんのノートを思い出す。究極奥義、正義の鉄拳のポイント。ギューンと書いてあったあれ。
ダンで踏み込んで、ギューンとぶつけて、ドカンと弾く。まさか、あれって。
ピッピー
ここで丁度ホイッスルが鳴って、試合は1ー0の雷門の勝ちで終わった。
「円堂さん!」
「守兄!」
驚いた表情で手を見ている守兄に皆が走り寄って来る。
「ギューンですよね円堂さん!ダン、ギューン、ドカン!今のは絶対正義の鉄拳ですよ!」
「だよねだよね!あたしもそう思った!」
「円堂、そうなのか?」
「確かにギューンって感じだったけど、俺無我夢中で……どうやって出したか全然覚えてないんだ」
「そういえば、咄嗟に出したって感じだったよね……」
すると条兄が、今の動きはサーファーが波に飲まれそうになった時にボードから吹っ飛ばされないようにする動きだと教えてくれた。
もしかすると、サーフィンが正義の鉄拳の鍵になるかも……。そう思ってたら、守兄が条兄にその動きをマスターしたいとせがんでいた。
「やめとけやめとけ。マスターって、素人がやって簡単にできる動きじゃねえんだぜ」
「そんなに難しいのか?」
「確かに海の上でバランスとるのって難しそう」
「でも俺覚えたいんだ、どうしても!覚えて、完成させたいんだ!」
「そりゃ気持ちは分かるけどよ……。気持ちだけじゃ出来ねえこともあんだからさ」
「でも綱海、お前には出来たよな」
「俺には?」
確かにそうだ。条兄は今までサッカーをやったことなかったのに、どんどん上達してる。
必殺技もできたし、その成長っぷりは凄い。その技は、どうしても点を取るんだという気持ちから出来たんだ。
そして守兄の熱意に負けた条兄は、サーフィンを教えてくれることになった。
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