第2話 出撃!雷門イレブン!!
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「お母さん……ただいま」
「守!美波!……おかえりなさい」
「母ちゃん……っ」
「守兄!」
「守!」
家に着いたところで、無理がたたったのか、守兄は気を失った。
お母さんに手伝ってもらって、引き摺るように部屋に連れて行った。泥を濡れタオルで拭き取って、着替えさせて。
泥だらけだから、と促されて、あたしはシャワーを浴びた。休むように言われたけど、目が冴えていて寝つけそうにない。
自分の中でも理解が追い付かなくて、聞いてほしくて、お母さんに傘美野中であったことを話した。あの酷すぎる試合のことを。
点けっぱなしのテレビに映るのは宇宙人のニュースばかり。全国の壊された学校。頭に浮かぶのはさっきの試合。
泣いているのを、お母さんに言われるまで気がつかなかった。
「はあ……」
自分の部屋に戻ったあたしは、ベッドに寝転がってため息をついた。
これからどうなるのだろうか。学校は壊されてしまって、授業を受けるどころじゃない。それに、守兄があのままで終わるわけがない。
これから何かが起きる。そんな気がする。あたしの勘ははあまり当たらないけど、絶対に何かが起きる。例えば宇宙人退治、とか……なんて。
みんな、どうしてるかな。そういえば一郎太は頭にシュートくらってた。大丈夫かなあ…。
連絡をとろうかと思って携帯に手を伸ばして、やめた。一郎太のことだから、無理して大丈夫だって言うと思うから。
***
「う……ん、あー……」
平日は6時、休みの日でも7時までには起きているあたしにしては、やけに遅い時間に目が覚めた。
もそもそと起き上がって、着替える。早く寝たにも関わらず、昨日の疲れがまだ残っているのか、体が少し重い。でも、
「あたしなんかよりみんなの方が……」
リビングに行く前に、守兄の部屋を覗いたけど居なかった。もう起きてるのかな。
「おはよう、お母さん」
「おはよう、美波」
「守兄は?」
「入院した子たちの様子を見に行ったわよ」
「あ……」
半田たち、大丈夫かな。早くよくなるといいんだけど。
テーブルの上には、お皿におにぎりが数個盛ってあった。途端にお腹が鳴る。昨日は食欲が湧かなくて、あまり食べなかったしな……。
食べ終わったら、どうしようかな。守兄みたいにお見舞いに行こうか。でも無理して元気そうに振舞うのを見るのも、辛い。
そうだ、雷門中の様子を見に行こう。誰かが来てるかもしれない。
家を出て、雷門中へ向かう。あれ、あそこで歩いてるのって豪炎寺じゃない?
「豪炎寺!」
「! 美波か」
「怪我、大丈夫?」
「ああ」
「……てい!」
「っ……」
「……やっぱまだ痛むよね。ごめん、力になれなくて」
「あいつなりにお前のことを心配してたんだろう」
「まあ、そうだし慣れてるけど…」
「それに、俺が円堂の立場だったら同じことを言うだろうな」
「あはは……。あ、優勝のこと夕香ちゃんに報告しに行ったんだよね!どうだった?」
どうやら夕香ちゃんは目を覚ましたらしい。よかったね、豪炎寺!
でも、嬉しいはずなのに、豪炎寺の顔は曇っていた。夕香ちゃんが目覚めた矢先、こんなことが起きたんだもんね……。
学校に着くと、守兄が来てた。お見舞いに行ってから寄ったらしい。
一郎太や鬼道、春ちゃん、なっちゃん、秋、染岡、土門、一之瀬、壁山、栗松……みんなが来ていた。
守兄はエイリア学園を許さないって言った。あたしだってそうだ。……でも何かが引っ掛かる。
レーゼにどこかで会ったことがある。昨日からずっと考えてるけど、やっぱりそんな気がする。ある訳ないのに。
「はあ……」
なんなんだろう、このモヤモヤ感。
「どうしたんだ、美波」
「ううん、なんでもないよ。それより一郎太、シュートくらってたけど大丈夫?」
「まだ少し痛むけど、大丈夫だ」
そしてやってきた響木監督に連れられて、イナビカリ修練場に行った。特訓でもするのかな、って思ったけど違った。
エレベーターに乗って地下へ。そこには、理事長が居た。コンピューターっぽいのが色々あってなんか凄い。なんというか……基地?
よくわかんないけど理事長曰く、欠けたメンバーの埋め合わせのため全国を回って実力のある選手をスカウトする。
そして地上最強イレブンを作るらしい。つまり、それで宇宙人に対抗するってことだ。
「地上最強イレブン……」
聞いただけでワクワクする。これからどんな選手との出会いが待ってるんだろう。でも、響木監督がついてこないなんて……。
「全国巡り中もラーメン食べられると思ってたのに!」
「バカか」
スパンと頭をはたかれた。地味に痛い。場を和ませる為の冗談なのに!
「いくらなんでもぶつことないじゃんか……」
「ほう」
「いひゃいよ」
ほっぺ引っ張られた。地味に痛かった。
そして響木監督に代わる新しい監督として、吉良瞳子さんという人がやってきた。
監督がいないと何も出来ないのかと厳しいことを言われたけど、確かにそうだ。こんなことでへこたれてはいられない。
「へこんでる場合じゃないもんね!」
「ラーメンがってさっき言ってたじゃないか」
「だから冗談だよ!」
「分かってるよ。何年幼馴染みやってると思ってるんだ」
……一郎太に揶揄われた。
.
「守!美波!……おかえりなさい」
「母ちゃん……っ」
「守兄!」
「守!」
家に着いたところで、無理がたたったのか、守兄は気を失った。
お母さんに手伝ってもらって、引き摺るように部屋に連れて行った。泥を濡れタオルで拭き取って、着替えさせて。
泥だらけだから、と促されて、あたしはシャワーを浴びた。休むように言われたけど、目が冴えていて寝つけそうにない。
自分の中でも理解が追い付かなくて、聞いてほしくて、お母さんに傘美野中であったことを話した。あの酷すぎる試合のことを。
点けっぱなしのテレビに映るのは宇宙人のニュースばかり。全国の壊された学校。頭に浮かぶのはさっきの試合。
泣いているのを、お母さんに言われるまで気がつかなかった。
「はあ……」
自分の部屋に戻ったあたしは、ベッドに寝転がってため息をついた。
これからどうなるのだろうか。学校は壊されてしまって、授業を受けるどころじゃない。それに、守兄があのままで終わるわけがない。
これから何かが起きる。そんな気がする。あたしの勘ははあまり当たらないけど、絶対に何かが起きる。例えば宇宙人退治、とか……なんて。
みんな、どうしてるかな。そういえば一郎太は頭にシュートくらってた。大丈夫かなあ…。
連絡をとろうかと思って携帯に手を伸ばして、やめた。一郎太のことだから、無理して大丈夫だって言うと思うから。
***
「う……ん、あー……」
平日は6時、休みの日でも7時までには起きているあたしにしては、やけに遅い時間に目が覚めた。
もそもそと起き上がって、着替える。早く寝たにも関わらず、昨日の疲れがまだ残っているのか、体が少し重い。でも、
「あたしなんかよりみんなの方が……」
リビングに行く前に、守兄の部屋を覗いたけど居なかった。もう起きてるのかな。
「おはよう、お母さん」
「おはよう、美波」
「守兄は?」
「入院した子たちの様子を見に行ったわよ」
「あ……」
半田たち、大丈夫かな。早くよくなるといいんだけど。
テーブルの上には、お皿におにぎりが数個盛ってあった。途端にお腹が鳴る。昨日は食欲が湧かなくて、あまり食べなかったしな……。
食べ終わったら、どうしようかな。守兄みたいにお見舞いに行こうか。でも無理して元気そうに振舞うのを見るのも、辛い。
そうだ、雷門中の様子を見に行こう。誰かが来てるかもしれない。
家を出て、雷門中へ向かう。あれ、あそこで歩いてるのって豪炎寺じゃない?
「豪炎寺!」
「! 美波か」
「怪我、大丈夫?」
「ああ」
「……てい!」
「っ……」
「……やっぱまだ痛むよね。ごめん、力になれなくて」
「あいつなりにお前のことを心配してたんだろう」
「まあ、そうだし慣れてるけど…」
「それに、俺が円堂の立場だったら同じことを言うだろうな」
「あはは……。あ、優勝のこと夕香ちゃんに報告しに行ったんだよね!どうだった?」
どうやら夕香ちゃんは目を覚ましたらしい。よかったね、豪炎寺!
でも、嬉しいはずなのに、豪炎寺の顔は曇っていた。夕香ちゃんが目覚めた矢先、こんなことが起きたんだもんね……。
学校に着くと、守兄が来てた。お見舞いに行ってから寄ったらしい。
一郎太や鬼道、春ちゃん、なっちゃん、秋、染岡、土門、一之瀬、壁山、栗松……みんなが来ていた。
守兄はエイリア学園を許さないって言った。あたしだってそうだ。……でも何かが引っ掛かる。
レーゼにどこかで会ったことがある。昨日からずっと考えてるけど、やっぱりそんな気がする。ある訳ないのに。
「はあ……」
なんなんだろう、このモヤモヤ感。
「どうしたんだ、美波」
「ううん、なんでもないよ。それより一郎太、シュートくらってたけど大丈夫?」
「まだ少し痛むけど、大丈夫だ」
そしてやってきた響木監督に連れられて、イナビカリ修練場に行った。特訓でもするのかな、って思ったけど違った。
エレベーターに乗って地下へ。そこには、理事長が居た。コンピューターっぽいのが色々あってなんか凄い。なんというか……基地?
よくわかんないけど理事長曰く、欠けたメンバーの埋め合わせのため全国を回って実力のある選手をスカウトする。
そして地上最強イレブンを作るらしい。つまり、それで宇宙人に対抗するってことだ。
「地上最強イレブン……」
聞いただけでワクワクする。これからどんな選手との出会いが待ってるんだろう。でも、響木監督がついてこないなんて……。
「全国巡り中もラーメン食べられると思ってたのに!」
「バカか」
スパンと頭をはたかれた。地味に痛い。場を和ませる為の冗談なのに!
「いくらなんでもぶつことないじゃんか……」
「ほう」
「いひゃいよ」
ほっぺ引っ張られた。地味に痛かった。
そして響木監督に代わる新しい監督として、吉良瞳子さんという人がやってきた。
監督がいないと何も出来ないのかと厳しいことを言われたけど、確かにそうだ。こんなことでへこたれてはいられない。
「へこんでる場合じゃないもんね!」
「ラーメンがってさっき言ってたじゃないか」
「だから冗談だよ!」
「分かってるよ。何年幼馴染みやってると思ってるんだ」
……一郎太に揶揄われた。
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