第15話 デザームの罠!
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ナニワランドの地下。ドアを開けると、そこには沢山の特訓マシンが並んでいた。やたらとキラキラしてるのはリカ達がやったそうだ。
一体どう使うのかはリカの挑発に乗った目金が実践してくれた。ベルトコンベアを走りながら止めてくれと悲鳴を上げる目金に、聞こえないフリのリカはレベルを2にする。ドンマイ、目金。
コンベアは坂やデコボコになるだけじゃなかった。どこからか飛んできた塊が目金を吹き飛ばす。それを見てみると、足の形をしていた。
「これスライディング?」
「かなり高性能だな」
「レベル上げるともっと激しなるで。最高レベルはウチらもクリア出来へん」
凄い。こんなに高性能なんて、流石はエイリア学園の施設だ。……リカ達が使ってるってことは、今はもう使ってないってことでいいのかな?
エイリアがここで特訓してあれだけの強さになったなら、あたし達もこのマシンをクリアすれば絶対に強くなれる。次にイプシロンがくるのは三日後。それまでに、勝てるくらいに……!
あたし達が使うのをリカは渋ったけど、一之瀬が聞くとあっさり了承が出た。一之瀬凄いな。
「リカは一之瀬が好きなんだね」
「美波には渡さへんで!」
「あはは、一之瀬はものじゃないって」
「美波先輩……そういう意味じゃないです」
「え?」
特訓をし続けて一旦キリがついた頃、リカが差し入れを持ってきた。大阪名物が盛り沢山で、美味しそうな香りにお腹が鳴る。
『いっただっきまーす!』
さあ、早い者勝ちの争奪戦の始まりだ!
押し合いへし合い取り合い。疲れた体はエネルギーを欲していて、我先にと箸が飛び交う。鬼道はちゃっかりというかしっかり、色々お皿に取っていた。
守兄を見ると、監督に言われたようにちゃんと30回噛んでいた。……すっかり忘れてた。いつからやってないっけ。今日は気をつけよう、今日は。
それにしてもしろ君が来ていない。しろ君は一人フォワード用のマシンの部屋に行ったけど、まだ特訓してるのかな。休憩を忘れるくらい頑張ってるってことだけど、休む時はちゃんと休まないと。
「しろ君……」
「なんやなんや。吹雪っちゅーのが気になるん?」
「最近無理してる気がしてさ」
染岡がチームを離れて、今の雷門の攻撃はしろ君頼りだ。シュートを撃つだけなら鬼道や一之瀬、あたしでも出来るけど、一番得点の可能性が高いのはしろ君な訳で。
今や名実共に雷門のエース。次のイプシロン戦はしろ君のエターナルブリザードが鍵になる。だからか気負っているような。……それとも。
守兄に連れられてきたしろ君は、誰よりも疲れの色が濃かった。やっぱり休むのも忘れて特訓に没頭したたらしい。
「お疲れしろ君!なかなか来ないから心配したよ」
「美波ちゃんもお疲れ様。心配かけてごめんね。僕は大丈夫だから」
「休む時はちゃんと休まないとダメだよ!疲れてたら本番で全力のプレーが出来ないからね!」
「でも本番で確実に決められるように練習で完璧にしておかないと」
「それは確かに……」
「いや納得すんのかよ」
夕弥に突っ込まれたけど練習で出来ないことは本番でも出来ないって言うしね。積み重ねは大事だ。ぶっつけ本番だって、土台があってこその成功がある。
「じゃああたしは本番で確実にボールを奪えるくらい完璧になる!」
「完璧は無理だろ」
「やってみなくちゃわからないよ夕弥!この特訓でしろ君レベルの凄いディフェンスが」
「美波には無理無理」
「ああ言えばこう言う!」
「美波ちゃんならきっと出来るよ。僕も負けてられないや」
「ありがとうしろ君。ほら、食べよう!」
取り分けておいた分を渡せばしろ君は笑ってくれたけど、エターナルブリザードを破られた記憶に、相当堪えてるようだった。
ジェミニストームの時はキーパーさえも吹き飛ばしたのに、イプシロンには必殺技すら使ってもらえなかった。力の差を見せつけられた。焦るのも当然だ。
そしてそのイプシロンより強いヒロト達。イプシロンを倒してもまた次がある。あたし達は、もっともっと強くならなければならない。
「……強く」
「どうかしたのか?」
「ううん、なんでもないよ」
「……そうか。何かあったらちゃんと言えよ」
「うん」
ごめん、一郎太。エイリア学園のことは、流石に相談出来ないや。
一通り食べ終えて、紙皿を片付ける。食休みをしたら練習再開だ。それまでの自由時間に秋達とおしゃべりしようとしてたら、ニマニマと笑うリカが近づいてきた。物凄く、嫌な予感がする。
「しっかしトンデモにぶちんと思っとったけど隅に置けへんなあ美波!」
「何のこと?」
「とぼけても無駄やで!男や男!おるならちゃんとハッキリさせとき!まあモテる女は辛いっちゅーのは分かるけど」
「男?」
「リカそれどういう意味だ」
「うちのメンバーが見たらしいねん。ナニワランドで美波が男と歩いてんの!」
何故か口を挟んできた守兄にリカが答える。その言葉に皆の視線があたしに集中する中、あたしの頭は真っ白になった。
ナニワランドであたしと歩いてた男の子って、風介のことだ……!CCCの子に見られてたんだ。迂闊だった。雷門の皆は見てないみたいだけど……。
「男とか、そういうのじゃないよ」
「ラブラブたこ焼き食べとったのにそれは無いやろ」
「え、ラブラブたこ焼き?」
「ナニワランド名物!一緒に食べたカップルは一生ラブラブってウワサや」
「何それ!?」
知らないうちに風介を変なことに巻き込んじゃった……。届かないだろうけど心の中で謝る。ごめん、風介。いつか何か好きなもの奢らせてほしい。
「照れんでええねん。ウチは恋する乙女の味方や!」
「してないしてない!違うから!」
「遠慮したってええことないで」
「だから風介はそうじゃないって!」
辺りがシンと静まり返った。あ、まずい気がする。
「ふーん、そいつフウスケ言うんか。名前呼びなんて進展しとるやん」
「だ、だから、聞き込みしてたらサッカーやってるって聞いてサッカーのことで意気投合して盛り上がったんだよ!凄い上手いんだって」
嘘は言ってない嘘は!サッカーやってるのも本当だし、マスターランクチーム?でイプシロン以上でヒロト君と同じくらいの実力なら上手いのは間違いない、筈。
それに不良を吹っ飛ばしたあの蹴りは凄かった。ノーザンインパクト、だっけ。それこそエターナルブリザード……いや、それ以上かもしれない。
「ほう。ポジションは?」
「鬼道何で急に乗り気になったの……。フォワードだって」
「……フォワードなんだ」
俯いたしろ君が体を震わせた。表情は見えないけど、本当に大丈夫だろうか。
「へー、サッカーしたの?どれくらい凄かった?」
「流石にサッカーはしてないけど……えーと、不良を吹っ飛ばしちゃうくらい凄かった」
「なんだか豪炎寺くんを思い出すね」
「そんなに凄い奴ならサッカーやってみたかったな」
「ああ、俺も興味がある。チームには誘わなかったのか?」
「い、忙しいみたいだったから」
ダメだ。これ以上話してるとボロが出そう。
「十分休憩したことだし、練習再開だ!」
「あっ逃げたな」
「逃げてない!」
.
一体どう使うのかはリカの挑発に乗った目金が実践してくれた。ベルトコンベアを走りながら止めてくれと悲鳴を上げる目金に、聞こえないフリのリカはレベルを2にする。ドンマイ、目金。
コンベアは坂やデコボコになるだけじゃなかった。どこからか飛んできた塊が目金を吹き飛ばす。それを見てみると、足の形をしていた。
「これスライディング?」
「かなり高性能だな」
「レベル上げるともっと激しなるで。最高レベルはウチらもクリア出来へん」
凄い。こんなに高性能なんて、流石はエイリア学園の施設だ。……リカ達が使ってるってことは、今はもう使ってないってことでいいのかな?
エイリアがここで特訓してあれだけの強さになったなら、あたし達もこのマシンをクリアすれば絶対に強くなれる。次にイプシロンがくるのは三日後。それまでに、勝てるくらいに……!
あたし達が使うのをリカは渋ったけど、一之瀬が聞くとあっさり了承が出た。一之瀬凄いな。
「リカは一之瀬が好きなんだね」
「美波には渡さへんで!」
「あはは、一之瀬はものじゃないって」
「美波先輩……そういう意味じゃないです」
「え?」
特訓をし続けて一旦キリがついた頃、リカが差し入れを持ってきた。大阪名物が盛り沢山で、美味しそうな香りにお腹が鳴る。
『いっただっきまーす!』
さあ、早い者勝ちの争奪戦の始まりだ!
押し合いへし合い取り合い。疲れた体はエネルギーを欲していて、我先にと箸が飛び交う。鬼道はちゃっかりというかしっかり、色々お皿に取っていた。
守兄を見ると、監督に言われたようにちゃんと30回噛んでいた。……すっかり忘れてた。いつからやってないっけ。今日は気をつけよう、今日は。
それにしてもしろ君が来ていない。しろ君は一人フォワード用のマシンの部屋に行ったけど、まだ特訓してるのかな。休憩を忘れるくらい頑張ってるってことだけど、休む時はちゃんと休まないと。
「しろ君……」
「なんやなんや。吹雪っちゅーのが気になるん?」
「最近無理してる気がしてさ」
染岡がチームを離れて、今の雷門の攻撃はしろ君頼りだ。シュートを撃つだけなら鬼道や一之瀬、あたしでも出来るけど、一番得点の可能性が高いのはしろ君な訳で。
今や名実共に雷門のエース。次のイプシロン戦はしろ君のエターナルブリザードが鍵になる。だからか気負っているような。……それとも。
守兄に連れられてきたしろ君は、誰よりも疲れの色が濃かった。やっぱり休むのも忘れて特訓に没頭したたらしい。
「お疲れしろ君!なかなか来ないから心配したよ」
「美波ちゃんもお疲れ様。心配かけてごめんね。僕は大丈夫だから」
「休む時はちゃんと休まないとダメだよ!疲れてたら本番で全力のプレーが出来ないからね!」
「でも本番で確実に決められるように練習で完璧にしておかないと」
「それは確かに……」
「いや納得すんのかよ」
夕弥に突っ込まれたけど練習で出来ないことは本番でも出来ないって言うしね。積み重ねは大事だ。ぶっつけ本番だって、土台があってこその成功がある。
「じゃああたしは本番で確実にボールを奪えるくらい完璧になる!」
「完璧は無理だろ」
「やってみなくちゃわからないよ夕弥!この特訓でしろ君レベルの凄いディフェンスが」
「美波には無理無理」
「ああ言えばこう言う!」
「美波ちゃんならきっと出来るよ。僕も負けてられないや」
「ありがとうしろ君。ほら、食べよう!」
取り分けておいた分を渡せばしろ君は笑ってくれたけど、エターナルブリザードを破られた記憶に、相当堪えてるようだった。
ジェミニストームの時はキーパーさえも吹き飛ばしたのに、イプシロンには必殺技すら使ってもらえなかった。力の差を見せつけられた。焦るのも当然だ。
そしてそのイプシロンより強いヒロト達。イプシロンを倒してもまた次がある。あたし達は、もっともっと強くならなければならない。
「……強く」
「どうかしたのか?」
「ううん、なんでもないよ」
「……そうか。何かあったらちゃんと言えよ」
「うん」
ごめん、一郎太。エイリア学園のことは、流石に相談出来ないや。
一通り食べ終えて、紙皿を片付ける。食休みをしたら練習再開だ。それまでの自由時間に秋達とおしゃべりしようとしてたら、ニマニマと笑うリカが近づいてきた。物凄く、嫌な予感がする。
「しっかしトンデモにぶちんと思っとったけど隅に置けへんなあ美波!」
「何のこと?」
「とぼけても無駄やで!男や男!おるならちゃんとハッキリさせとき!まあモテる女は辛いっちゅーのは分かるけど」
「男?」
「リカそれどういう意味だ」
「うちのメンバーが見たらしいねん。ナニワランドで美波が男と歩いてんの!」
何故か口を挟んできた守兄にリカが答える。その言葉に皆の視線があたしに集中する中、あたしの頭は真っ白になった。
ナニワランドであたしと歩いてた男の子って、風介のことだ……!CCCの子に見られてたんだ。迂闊だった。雷門の皆は見てないみたいだけど……。
「男とか、そういうのじゃないよ」
「ラブラブたこ焼き食べとったのにそれは無いやろ」
「え、ラブラブたこ焼き?」
「ナニワランド名物!一緒に食べたカップルは一生ラブラブってウワサや」
「何それ!?」
知らないうちに風介を変なことに巻き込んじゃった……。届かないだろうけど心の中で謝る。ごめん、風介。いつか何か好きなもの奢らせてほしい。
「照れんでええねん。ウチは恋する乙女の味方や!」
「してないしてない!違うから!」
「遠慮したってええことないで」
「だから風介はそうじゃないって!」
辺りがシンと静まり返った。あ、まずい気がする。
「ふーん、そいつフウスケ言うんか。名前呼びなんて進展しとるやん」
「だ、だから、聞き込みしてたらサッカーやってるって聞いてサッカーのことで意気投合して盛り上がったんだよ!凄い上手いんだって」
嘘は言ってない嘘は!サッカーやってるのも本当だし、マスターランクチーム?でイプシロン以上でヒロト君と同じくらいの実力なら上手いのは間違いない、筈。
それに不良を吹っ飛ばしたあの蹴りは凄かった。ノーザンインパクト、だっけ。それこそエターナルブリザード……いや、それ以上かもしれない。
「ほう。ポジションは?」
「鬼道何で急に乗り気になったの……。フォワードだって」
「……フォワードなんだ」
俯いたしろ君が体を震わせた。表情は見えないけど、本当に大丈夫だろうか。
「へー、サッカーしたの?どれくらい凄かった?」
「流石にサッカーはしてないけど……えーと、不良を吹っ飛ばしちゃうくらい凄かった」
「なんだか豪炎寺くんを思い出すね」
「そんなに凄い奴ならサッカーやってみたかったな」
「ああ、俺も興味がある。チームには誘わなかったのか?」
「い、忙しいみたいだったから」
ダメだ。これ以上話してるとボロが出そう。
「十分休憩したことだし、練習再開だ!」
「あっ逃げたな」
「逃げてない!」
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