第12話 帝国の逆襲!後編!!
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両チームが再びポジションにつく。佐久間も源田も、禁断の技の反動か辛そうに立っていた。
「鬼道、自由に動いてくれ。他のことは俺達に任せて」
一之瀬の言葉に、鬼道が頷く。そこでホイッスルが鳴って後半戦開始。しろ君が勢いよく駆け上がった。
明王ちゃんのスライディングを無理矢理突破して、ルーズボールはあたしが拾う。そして染岡にパス。
染岡がディフェンダー二人に行く手を阻まれると、明王ちゃんがシュートを撃たせるよう言った。源田が止めると。
……源田を何だと思ってるんだ。本当に、どうなってもいいって言うのか。
その時、逆サイドから駆け上がったしろ君を見た染岡が、笑った。
「ワイバーンクラッシュ!」
シュートは源田の正面に飛んだと思いきや、目の前でコースが変わる。その先には靡くマフラー。そうか、これはシュートじゃなくて!
「しろ君へのパスだ!」
「ビースト……」
「遅ェよ」
エターナルブリザード!!
源田が反応する前に、エターナルブリザードはゴールに突き刺さった。
「やったあ!」
「ビーストファングを出させず、ホントにシュートを決めちまいやがった!」
「素晴らしい!これは二人の連携技として使えますよ!名づけてワイバーンブリザード!」
「ワイバーンブリザード……!凄い連携シュートだ!」
「へへっ、俺の動きよく分かったな」
「いつか負かしてやろうと思って、いつも見てたからな。……大嫌いなお前を」
「とか言っちゃって!最強コンビなんでしょ!」
「まあな」
頭をかきながら、染岡は照れ臭そうに笑う。それを見てあたしもしろ君も笑った。
真・帝国ボールで試合が再び動き出す。あたしは、ボールを持っている明王ちゃんの前に立ち塞がった。
「……佐久間と源田に酷いことさせて、そうまでして欲しい勝利って何?勝ったとしても嬉しくなくちゃ意味ない。こんなやり方で勝って楽しい!?」
「ああ、楽しいぜ!なんせ勝てるんだからな!」
「そんなのおかしい!仲間じゃないの!?」
「ハッ、他の奴なんざ知るかよ!」
「ボールは、サッカーは!人を傷つける為にあるんじゃない!」
「どこまでもお綺麗事だなァ美波!」
一気に距離を詰めてきた明王ちゃんは、囁いた。
「……それ、オトモダチにも言ってやれよ」
ひゅっ、と。息が詰まって、ぶわっと冷や汗が吹き出てきた。オトモダチって誰のこと。雷門じゃない。帝国でもない。
……影山はエイリア学園と繋がってる。だから、あたしとヒロト君達との関係を、知っている可能性は……ある。
「お前、サッカーで破壊活動してる連中と仲良いんだろ?」
「だからっ!止める為に、戦うんだよ!」
「そんな甘っちょろい考えでいいのか?日本を揺るがす事も辞さない覚悟。お前はそれを壊しにいくんだ」
「っ、は……でも、あたしは、頼まれて」
「どんな気持ちでやってるんだろうなァ。ありゃあ人生賭けるレベルだぜ?」
「!」
「それを全部ぶち壊すっていうのに、なのにお前は頼まれたからやる?その程度か?聞いて呆れるぜ」
息が苦しい。駄目だ、試合に集中しろ。
「……それだけじゃない!あたしは、友達を助けたいんだ!」
「エイリア学園は、お前に助けられるのを、望んでんのか?」
心臓がどくどくと鳴っている。うるさい。うるさい!
「雷門の奴ら、お前がエイリアに肩入れしてるって知ったらどう思うかねェ」
「うるさいっ!行かせない!」
「ハッ、美波に止められんのか?」
「……止めてみせるよ。荒波!!」
呼び起こした波がボールを押し流す。取り返される前に一郎太にパスを通して、そこから鬼道、一之瀬に回って染岡へ。
もう一度決めてやると意気込みながら上がる染岡。そこに、明王ちゃんのスライディングが入った。今の、足を……!
明らかに危険なプレー。イエローカードが出たというのに、明王ちゃんはどこ吹く風だ。
倒れて痛みに悶える染岡を、見下すようにこんなのも避けられないとはと言う明王ちゃんに腹が立つ。
「明王ちゃん!何であんな危ないプレーなんかしたんだよ!」
「そんなの勝つ為に決まってんだろ」
「勝つ為なら何したっていいなんて間違ってる!」
「おいおい、俺を殴ったら退場になっちまうぞ。お前こそ、俺相手なら何してったいいとでも思ってんのか?」
「……くそっ」
「テメェ今のわざとだろ!こいつ!」
「しろ君ダメ!」
殴りかかろうとしたしろ君を押さえる。悔しいけど、明王ちゃんの言う通りだ。
「気持ちは分かるよ!でも絶対ダメ!」
「うるせえ!離せよ美波!この野郎、一発……」
「やめろ!」
染岡の制止に、しろ君は渋々と振り上げていた手を下ろした。あたしも手を離して染岡を見る。
「殴ったら、お前が退場になる!吹雪!」
「チッ……」
一旦ベンチに下がって手当をする。具合を見ていた秋が、首を振ってこれ以上はもう無理だと言った。
でも目金と交代しようにも、まだ足の怪我が治っていない。
「交代は無しだ!」
「染岡!」
「無理するな!」
「役に立たないかもしれねえが、ピッチに置いてくれ!影山なんかに、負けたくねえんだ!」
「染岡……」
「でも足が、これ以上プレーを続けたら!」
「大丈夫だ」
「こんな腫れ方なのに、染岡までサッカー出来なくなっちゃう!」
「だから平気だって言ってんだろ!」
「いいんじゃねえの?要はオレがこいつの分もプレイすればいいってだけだろ?」
「しろ君まで……」
「あんたの作戦に乗ってやったんだ!これくらいはいいよな、監督!」
「構わないわ」
監督からも了承が出て、押しきられる形で染岡はフィールドに残ることになった。
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「鬼道、自由に動いてくれ。他のことは俺達に任せて」
一之瀬の言葉に、鬼道が頷く。そこでホイッスルが鳴って後半戦開始。しろ君が勢いよく駆け上がった。
明王ちゃんのスライディングを無理矢理突破して、ルーズボールはあたしが拾う。そして染岡にパス。
染岡がディフェンダー二人に行く手を阻まれると、明王ちゃんがシュートを撃たせるよう言った。源田が止めると。
……源田を何だと思ってるんだ。本当に、どうなってもいいって言うのか。
その時、逆サイドから駆け上がったしろ君を見た染岡が、笑った。
「ワイバーンクラッシュ!」
シュートは源田の正面に飛んだと思いきや、目の前でコースが変わる。その先には靡くマフラー。そうか、これはシュートじゃなくて!
「しろ君へのパスだ!」
「ビースト……」
「遅ェよ」
エターナルブリザード!!
源田が反応する前に、エターナルブリザードはゴールに突き刺さった。
「やったあ!」
「ビーストファングを出させず、ホントにシュートを決めちまいやがった!」
「素晴らしい!これは二人の連携技として使えますよ!名づけてワイバーンブリザード!」
「ワイバーンブリザード……!凄い連携シュートだ!」
「へへっ、俺の動きよく分かったな」
「いつか負かしてやろうと思って、いつも見てたからな。……大嫌いなお前を」
「とか言っちゃって!最強コンビなんでしょ!」
「まあな」
頭をかきながら、染岡は照れ臭そうに笑う。それを見てあたしもしろ君も笑った。
真・帝国ボールで試合が再び動き出す。あたしは、ボールを持っている明王ちゃんの前に立ち塞がった。
「……佐久間と源田に酷いことさせて、そうまでして欲しい勝利って何?勝ったとしても嬉しくなくちゃ意味ない。こんなやり方で勝って楽しい!?」
「ああ、楽しいぜ!なんせ勝てるんだからな!」
「そんなのおかしい!仲間じゃないの!?」
「ハッ、他の奴なんざ知るかよ!」
「ボールは、サッカーは!人を傷つける為にあるんじゃない!」
「どこまでもお綺麗事だなァ美波!」
一気に距離を詰めてきた明王ちゃんは、囁いた。
「……それ、オトモダチにも言ってやれよ」
ひゅっ、と。息が詰まって、ぶわっと冷や汗が吹き出てきた。オトモダチって誰のこと。雷門じゃない。帝国でもない。
……影山はエイリア学園と繋がってる。だから、あたしとヒロト君達との関係を、知っている可能性は……ある。
「お前、サッカーで破壊活動してる連中と仲良いんだろ?」
「だからっ!止める為に、戦うんだよ!」
「そんな甘っちょろい考えでいいのか?日本を揺るがす事も辞さない覚悟。お前はそれを壊しにいくんだ」
「っ、は……でも、あたしは、頼まれて」
「どんな気持ちでやってるんだろうなァ。ありゃあ人生賭けるレベルだぜ?」
「!」
「それを全部ぶち壊すっていうのに、なのにお前は頼まれたからやる?その程度か?聞いて呆れるぜ」
息が苦しい。駄目だ、試合に集中しろ。
「……それだけじゃない!あたしは、友達を助けたいんだ!」
「エイリア学園は、お前に助けられるのを、望んでんのか?」
心臓がどくどくと鳴っている。うるさい。うるさい!
「雷門の奴ら、お前がエイリアに肩入れしてるって知ったらどう思うかねェ」
「うるさいっ!行かせない!」
「ハッ、美波に止められんのか?」
「……止めてみせるよ。荒波!!」
呼び起こした波がボールを押し流す。取り返される前に一郎太にパスを通して、そこから鬼道、一之瀬に回って染岡へ。
もう一度決めてやると意気込みながら上がる染岡。そこに、明王ちゃんのスライディングが入った。今の、足を……!
明らかに危険なプレー。イエローカードが出たというのに、明王ちゃんはどこ吹く風だ。
倒れて痛みに悶える染岡を、見下すようにこんなのも避けられないとはと言う明王ちゃんに腹が立つ。
「明王ちゃん!何であんな危ないプレーなんかしたんだよ!」
「そんなの勝つ為に決まってんだろ」
「勝つ為なら何したっていいなんて間違ってる!」
「おいおい、俺を殴ったら退場になっちまうぞ。お前こそ、俺相手なら何してったいいとでも思ってんのか?」
「……くそっ」
「テメェ今のわざとだろ!こいつ!」
「しろ君ダメ!」
殴りかかろうとしたしろ君を押さえる。悔しいけど、明王ちゃんの言う通りだ。
「気持ちは分かるよ!でも絶対ダメ!」
「うるせえ!離せよ美波!この野郎、一発……」
「やめろ!」
染岡の制止に、しろ君は渋々と振り上げていた手を下ろした。あたしも手を離して染岡を見る。
「殴ったら、お前が退場になる!吹雪!」
「チッ……」
一旦ベンチに下がって手当をする。具合を見ていた秋が、首を振ってこれ以上はもう無理だと言った。
でも目金と交代しようにも、まだ足の怪我が治っていない。
「交代は無しだ!」
「染岡!」
「無理するな!」
「役に立たないかもしれねえが、ピッチに置いてくれ!影山なんかに、負けたくねえんだ!」
「染岡……」
「でも足が、これ以上プレーを続けたら!」
「大丈夫だ」
「こんな腫れ方なのに、染岡までサッカー出来なくなっちゃう!」
「だから平気だって言ってんだろ!」
「いいんじゃねえの?要はオレがこいつの分もプレイすればいいってだけだろ?」
「しろ君まで……」
「あんたの作戦に乗ってやったんだ!これくらいはいいよな、監督!」
「構わないわ」
監督からも了承が出て、押しきられる形で染岡はフィールドに残ることになった。
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