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黒金座主 くるがにざーし

2019/08/14 10:34
黒金座主は沖縄県に伝わる悪僧の怨霊です。妖術を使い、信者の女性を誑かすなど人心を惑わしていたため王命により王子に討伐されました。黒金座主は悪霊となり王子の家に生まれた男児を殺すため、「大女子(うふいなぐ)が生まれたぞ」と男児を女児と偽って育てることで黒金座主の祟りを避けたそうです。民謡「耳切り坊主」として今でも子守唄として黒金座主の恐ろしさを伝える地域もあるようです。
恐ろしい悪霊として語り継がれる一方で、仏教側からの見解ではまた違った一面があるようです。この黒金座主は現在も那覇市に残る真言宗護国寺の第18第住持である盛海座主がモデルと言われ、「沖縄仏教史」では「盛海座主は王子の悪政を咎めたために殺された」とされています。琉球王室側と仏教側で意見が食い違っており、政治的な軋轢があったのではないかと言われています。
あやかし百鬼夜行では人間であった頃の黒金座主が殺害された一連の事件の黒幕は琉球王室の後宮に入り込んだ九尾の狐の仕業とされています。黒金座主は側室として琉球国王に取り入る九尾の狐の正体を知ってしまったが故に悪評を流布され討伐されました。死後は悪評通りに振る舞うことで悪霊として力を高め、九尾の狐に一矢報いようとしていたようです。九尾の狐への恨み辛みは懇々と語りますが、琉球王室へは言及していません。
仲間内からは黒金(くろがね)と呼ばれ、頭領にもそのように呼ぶようにと言っています。沖縄言葉では難しいだろうからという理由だそうです。黒金座主も本名ではないと語り、人間であった頃は別の名前だったようですが、頭領に教える気はないそうです。仏僧旅団のメンバーが黒金座主の本名を知っているかどうかは不明です。
妖術に長けており、空間移動の術式を使って離れた場所を行き来し、敵対していた頃は厄介な相手でした。が、「猛進め、干支神 亥」で福の神によって術式を狂わされ、仏壇を媒介にした半限定的な移動以外は何度やっても海の真上に移動するようになってしまいました。後に仏僧旅団と百鬼夜行が同盟を組むことになった「大婆様の暇つぶし」で意識不明の頭領に冷水をぶっかけ、口にわさびやからし等の刺激物をしこたま突っ込むという仕返しをして溜飲は下がったようです。

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