《花、時々キミ/予告》
一輪の花が俺と君を繋いでいた
かけがえのない
あの時
あの日々
あの空間
あの世界
今も胸に残っている
『待たないで』
『信じないで』
『忘れて‥』
そうして
零れる心を汲み取って、と
愚かな願いを君に押し付ける
『もう私達を放っておいて下さい‥!!』
『そうもいかないわ。協力者だもの』
『なぁ、知ってるか───』
君の事を 守りたかった
たとえもう
その手に触れる事が叶わずとも
『待って‥。待って下さい藤堂さん‥っ!! 私──』
『言わないで』
『──それならせめて‥
“好きだった”と‥──』
絞り出した精一杯の言葉
君の心からの言葉
こんなに胸が痛むのは
嬉しいからだね
幸せだからだね
嗚呼‥
揺らぐ視界
揺らぐ世界
どちらが歪んでいるのだろう
どちらが先に歪んだのだろう
──誰が答えられるだろうか
『君と明日を生きたい』
最後まで言えなかった俺の弱さ
この先にあるものは、悲しい終焉か
『‥‥終わった‥? 新八っ‥つぁん』
『──馬鹿野郎‥』
『最後の最期まで、“武士”になんて‥っ』
『‥厄介なもんだね‥“侍の魂”なんて』
それとも
縋る幸せの始まりなのか
『一生で一度の最大級の我が儘を言います』
『生きて』
『好きです』
誰が答えられるだろうか
俺が何処へ行く可きかを
でも
君に抱くこの感情は
この優しさは
この温かさは
この幸せは
“誠”だった
ねぇ、君に伝えたい言葉があったんだ。
『好きだ』