〔四〕意志の集う場所
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「──報国攘夷‥そういう立派なこと、私には大きすぎて、行き場を見失ってしまいそうだから」
荒れ狂う潮流の中で、混沌とした世界の中で、小さな小さな小舟は
「ちっぽけな私は、自分を生かすのがせいぜいで」
翻弄されるのではなく
抗うのではなく
「だから、生きる為に──自分が自分でいられる居場所を、自分を在らせてくれる存在を、守る為に」
ただ、自分の中の北辰の星を見失わずに
「私は、剣を振るうのです」
ただただ、前へ、進む。
胸の中にあった“何か”が、すっと体に溶けていく。
──あぁ、そうなんだ。
この人は、決して物語の英雄だとか超人だとか、崇高なsuperman(理想的人間)だとかじゃなくて。
ただ、人間らしい、温かい人なんだ。
──生きる為‥
なんてシンプルで
完結的な答えだろう
そうして、自分の中に生まれた一つの答えに、思わず笑みが零れた。
「‥あっ!勿論報国の心はありますよ!? でもなんというか、そのー‥、私には難しくて分からないのでー‥」
しどろもどろして取り繕おうとする沖田さんの慌てっぷりに思わず笑う。
初めて見る表情だ。
「それを信じる近藤さんや土方さんを、私は信じたい、支えたい、って」
「──えぇ、わかりますよ」
クスリと笑ってそう答えると、沖田さんは一瞬驚いた顔をして──それから笑った。
その笑顔を見て、あぁ“守りたい”──と、思ったんだ。
超人でもsupermanでもない不器用な貴方を。貴方達を。
「──でも、一つ見落としています」
「え?」
“生きる為”に、守ると言った。自分を取り巻く世界を、守ると言った貴方。
けれど、
「──“自分自身”も、守らなければ、ね」
傷つくことも厭わず 自分の世界を守ろうとする貴方を、傷つきながらも進もうとする貴方達を、守るのは何だろう。誰だろう。
願わくば、私はそんな存在で在りたい。
自分の中に生まれた一つの答え。──きっと守っていこうと思ったんだ。
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