〔参〕それぞれの風
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ー ー ー ー ー ー
英国を発った船般は、大海原を巡りに巡って、長い船旅の末、長崎・出島に辿り着いた。
<div align="center">『‥帰って‥来たんだな』</div>
祖国の空気を吸って満足すると、私は今度は京都を尋ねる旅路に着いた。
そして長州藩領内に足を踏み入れて、間もない頃──
<div align="center">『ナイスとぅーミーちゅーじゃき。ワンダフルガール』</div>
人込みの中を歩いていたら 急に手首を掴まれて、下手くそな英語で話し掛けられた。
──坂本龍馬。だった。
彼の話によると、やはり私のこの着物が目に留まったらしく、同じ匂いを感じたとか。
<div align="center">『一緒に日本をウォッしんぐじゃ!』</div>
ー ー ー ー ー ー
世界に夢を抱いている人だった。
日本という国の力を信じている人だった。
この国を愛している人だった。
あの時、私はあの手を取ることもできた。けれど‥
──私は、ここで、今尚幕府の為に戦おうとしている人達を、支えたいと思っていた
「──‥此処に来ようと決めていたから、私は丁重に断ったんだ」
「へぇ‥」
「その代わり、預かってきた言葉があるの」
ちりん、とまた風鈴が鳴る。
<div align="center">ー ー ー ー ー ー
『おーのー!!それは残念ぜよ。
‥でも新撰組とは なかなか‥。』
『‥そうじゃ!それならちっくと頼みがあるぜよ』
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ー ー ー ー ー ー
『新撰組におるiron boyに、その気があるなら早く“こっち”に来るよう言って欲しいきの──』
『──そん男の名前は‥‥‥‥村‥‥てつ‥‥──』
ー ー ー ー ー ー</div>
あの時、風に掻き消された少年の名。それが“市村鉄之助”だったんだ。
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