〔弐〕初めての空
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
一瞬の出来事だったから、私は瞬きをする暇もなかった。
初めて人が刀で“斬られて”いる現場を見たのに、怖いと感じなかったのは何故だろう。
(血が流れなかったからだろうか)
──カチャ‥
刀が鞘に納められると、夢心地な気分から私はハッと現実に戻った。
そして再び、“その人”の方を見る。
「峰打ちですから、大事ありません。 そこの門兵さん!この人奉行所にでも連れていって下さい。只の酔っ払いですから」
そう言って“その人”は私達の方を向いた。
その瞳と目が合った瞬間、一気に私の体中に血が巡るのを感じた。
ドクン、ドクン、と、胸の奥で早鐘を打つ音が響く。
「おや?可愛らしいお客さんが居る」
刀の鋭い光とは真逆の、優しげな瞳。
柔らかな笑顔。
これが 彼、沖田総司との出逢いだった。
『初めての空』-終