世界が白に染まる日
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そんなこんなで組み分け。
「グーとパーで 分~かれ~ましょ!」
した、が、数分後──
「うぉりゃぁ食らえススム日頃の恨み!!」
「日頃の恨みってなんやねん!っつーかお前同じ組やろ!!」
「っ冷てぇ!! 左之お前俺に当てただろ!!」
「おぉ悪ぃ新八 小さすぎて視界に入ってなかったわ。ハハハッ」
「~~っ天誅っ!!」
見事に私闘(死闘?)に発展。もはや敵味方全く関係なくなってしまった。
それでも皆どこか楽しそうで、雪にまみれながらも 子どもっぽい笑顔ではしゃいでいて。なんだか私も嬉しくなった。
で、私の方はというと
「‥‥えっとー‥。何で沖田さんずっと私の前にいるんですか?」
私に背を向けて手を広げ、所謂“身を挺している”ポーズを雪合戦開始時から続けている沖田さんに訊ねると、沖田さんは振り返って笑顔を見せ 親指を立てた。
「たとえ敵と味方に分かれても私は貴女を守りますよ!」
「え、あ、はい。うん。ありがとうございます。」
そう、一応敵組。
でもあまりにも爽やかな笑みだから、何も言い返せなかった。
というか、身を挺すとかいう前に、さっきから貴方の顔を見るだけで 皆こちらに雪玉を向けようともしないのですが。
(どんな表情してるんですか!!)
そして仮にこちらに雪の流れ玉が飛んできても、沖田さんによってメッタボコに打ちのめされていた。
(不憫‥っ)
「安心して下さい!春華さんの身はこの私! 私が守っ「!!沖田さん危ないっ!!」」
──ボスッ
雪玉、命中。見事に顔に命中。
沖田さんにそんな事が出来るのはどんな輩かと思いきや、
「‥っやりましたね土方さん‥!?」
「春華にかまけてボヤボヤしてるお前が悪い」
ニヤッと悪戯っ子のように笑う土方さん。(雪遊びに夢中で真っ赤になった)手では手頃な大きさの雪玉を軽く上に投げている。
でもそんな表情も次の瞬間一変した。
──ヒュンッ‥ドカッ
「うぉっ‥!!」
「ぶっ‥」
土方さんが華麗に避けた豪速球は見事にススムと一騎打ちをしていた鉄の顔に命中した。
鉄の動きが衝撃で一瞬止まる。
が、
「~~っ!! 加勢します!!」
「よォし市村!総司を完膚無きまでに‥」
「いえ、沖田さんに!!」
「は!?」
言うが速いか、鉄は対ススム用に仕込んであった大量の雪玉を土方さんの方へ投げ始めた。
「おい待てコラ市村!! お前何で」
「日頃の恨み!!」
鬼副長を遠慮なく叩きのめせる機会なんてそうはない。
そんな思考が雪玉を当てた張本人である沖田さんへの仕返しよりも上回ったのか、鉄はこれ幸いと言うように日頃の鬱憤を晴らしに雪玉を投げまくった。
「よし!では挟み撃ちで鬼退治と行きましょう鉄クン!」
「はい!沖田さん!」
はははっと爽やかな笑みを浮かべつつも仄かに隠しきれない黒い空気を纏った沖田さんと、上手いようにその傘下に下った鉄は 意気揚々と土方さんに雪玉の集中豪雨を浴びせた。
そのあまりにも多い雪玉の中に、いくつか別の方向からの援護射撃が加わっていたような気がするのはきっと気のせいだ。
なんてったって相手は人望に厚い彼の鬼副長。
「~~っ!!かくなる上は仕方ねぇ!!」
「へ‥っ?」
そんなこんなで ぼんやりと少し離れた所から(楽しく)一部始終を見守っていたら──いきなり土方さんが視界から消えた。
そしてがっちり掴まれる肩。
「!! 春華さんを盾にするなんて‥っ 卑怯な‥!!」
「鬼ー!! 鬼畜ー!!」
「ハッハッハ 聞こえんなぁ!」
本物の悪党なんじゃなかろうかこの人は。
「ちょっ、離して下さいよ!」
「無理だ諦めろ」
がっしり掴む手はびくともしない。そして案の定沖田さんはピタリと雪玉を投げるのを止めた。
なんて人の弱みに付け込んだ姑息な策略…!
流石、組を纏める組ちょ‥‥じゃなくて副長だ、とか感心していたら、完璧私は人質になってしまった。
「お前らこいつがどうなってもいいのか!」
「くっ‥! バカな抵抗は止めなさい!」
「ハッハッハ! 手も足も出せまい!」
だから何処の凶悪犯だっての!!
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