世界が白に染まる日
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賑やかな昼
生き生きとした皆の笑顔
静かな夜
しんしんと降り積もる雪
白い吐息
貴方の隣で感じる温もり
繋がれた手のひらに
あなたへの恋を再認識する
《世界が白に染まる日》
少し耳を澄ませば聞こえてくる音。
朝稽古の掛け声。
竹刀のぶつかり合う音。
皆の話し声。笑い声。
そして、未だに起きてこない“鬼”の寝息。
今日も屯所は平和です。
「ひっじかったさーーん!! 朝ですよーー!」
「朝ですよーー!!」
未だに布団の中にくるまっている“オニ”に明るく元気に朝の挨拶。
でも、もぞっと身を捩っただけで一向に布団から出てくる気配がない。
「うーん‥。起きませんねー、沖田さん」
「うーん‥。土方さーん? 朝ですって。ね、起きて?」
「さむいからいやだ。」
まだ寝ぼけた声でそう言うと、土方さんは一層布団にくるまってしまった。
私と沖田さんは目を見合わせると肩をすくめ、やれやれ、と言ったように笑った。
力ずくで布団を剥いでしまえばいい話だけど、昨晩遅くまで 土方さんが執務に追われていたことを知っているから。
「じゃあ朝食食いっぱぐれても知りませんからねー。さ、行きましょう春華さん」
起こすのを諦めてそう言う沖田さんが、土方さんが起きた頃にちゃんと食事を運んでいく事を私は知っている。
色んなところに見え隠れする沖田さんの優しさに思わず笑みが零れた。
再び聞こえ始めた寝息にクスリと笑うと、沖田さんは起こさないようにそうっと静かに襖を閉めた、
が、
「「‥あっ」」
そんな心遣いは
「「雪だぁーーっ!!」」
季節外れの冬の白い遣いの前に溶け去った。
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