過ぎ去ったモノ、生きている瞬間、未だ来ぬ日。
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“剣”を握る。握り締める。
甦る、感覚。
「始めっ!」
そして襲い来る、吐き気。
過去の幻影。
「っあぁぁあぁっ!!!」
「っ‥!!」
“過ぎ去ったモノを、越える為に”
「何で‥!! 何でお前は‥っ」
そう、視線を逸らさずに言える お前が少し、憎いよ。
「苦しいくせに‥っ!お前だって‥!!」
襲い来る吐き気。
でも、同時に込み上げてくる別のモノだってあることに、気付いていた。
気付かないフリをしていた。
(気持ちに、蓋をしていた)
「何で‥!! 過去をっ捨てられるんだ‥っ!!」
分かっている筈なのに、分からないフリをする。自分が一番、卑怯だと思った。
自分が 嫌だ、と思った時だった。
「!!? っ‥!!」
ヤツが消えたと思った瞬間、胸から波状に襲来する痛み。
“突き”を喰らったのだと気付いたのは、総司が既に対面に戻っていた時だった。
「‥過去を捨ててなんかいません」
「──‥」
鼓動に合わせて胸から襲来する痛み。
鼓動に合わせて熱くなっていく身体。
胸の奥で、何かが頭を擡げたのを感じた。
「ただ‥今を──「もういい」
もういい、ともう一度呟いて、放心して眺めていた手を 胸の辺りで握ると、溢れ出す感情。でも、それを扱う術を 俺はもう得ていた。
「始めっ!」
もう前しか見えなかった。
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