過ぎ去ったモノ、生きている瞬間、未だ来ぬ日。
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静寂に包まれる。
体中が緊張感でピリピリして、改めて 体に纏わりつく空気の存在を知る。
まだ、剣は握っていない。
「‥平助、大丈夫か? 竹刀持ったら吐き気がどうとか‥」
さっき言ってたけど、と申し訳なさそうに言う部長サンに、強がりの笑顔を向ける。
「ん、大丈夫。貸して」
強がって、差し出された竹刀を手に取る。
その瞬間こみ上げてきた感情に、やっぱり吐き気がした。
駄目かもしれない。
いや、行くんだ。
逃げ出しそうな自分を叱咤する。
頭の中で繰り広げられる様々な葛藤。頭をよぎるイメージを拒絶しようとして、ふと 視線を上げた。
もう既に準備を終え 対岸の列で待機している総司の方を見遣ると、──微笑んできた。
「‥木刀を使いましょうか」
突飛な進言に、可笑しな声をあげたのは、勿論部長サン。俺は黙って総司の方を見る。
「さぁ、始めましょう」
差し出された木刀を、俺は受け取った。
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