君と、ここで
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我ながら大きく出たもんだなと思った。けれど、生きていて欲しいから。
真剣な顔で見つめていると、突然沖田さんは笑い出した。
「‥ふっ‥ははっ」
「なっ! 真剣に言ってるのに!」
声を押し殺して笑う沖田さんに、一気に気が抜けた。どうしたんだろう。
「だって‥───」
「だって?」
「‥‥やっぱり言えません!」
「はい!?」
いたずらっ子のような顔をして笑う沖田さんは本当に憎らしい程魅力的で、あまり怒る気にもなれない。
「もう何なんですかー!」
「えへへへ」
そう言って誤魔化して笑う沖田さんの表情は どこか清々しい。
「願いますよ、春華さん」
「え?」
急にくるりと振り返ると、沖田さんは私の手を握った。
「『来年も必ず桜を見たい』と」
さっきまでの“儚さ”が沖田さんの雰囲気から消えた。今はただ、“生きる”力が満ちている。
「桜が咲いて、散ったら‥次の春を待ちます。貴女に会いたいから!」
ただ、桜が咲き乱れる中、沖田さんは満開の笑みを浮かべるから───
「だから、来年もまた──」
ただ、嬉しくて。
「貴女と、ここで!」
貴方との未来を思い描いた。
桜が咲く季節は
嬉しくなって
寂しくなって
魅せられて
切なくなる
その全てを、貴方の隣で感じていたい
ねぇ、だから
桜が咲く頃は必ず
「君と、ここで」
--END