君と、ここで
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繋いでいる方とは逆の手を添えて、私は沖田さんの手を包むようにした。
「春華さ‥「ダメ」」
沖田さんの言葉を遮って真っ直ぐに沖田さんの瞳を覗き込むと、自分の姿が映った。
「ダメですよ、沖田さん」
「え‥?」
「“沖田さん”が台無しです」
沖田さんは頭に疑問符を浮かべているようだけど、‥私自身も何を言っているか分からない。
「そんな定番な台詞、沖田さんには似合いません」
「えぇっ?」
本当に、何を言っているんだろう。沖田さんは困ったように笑っている。
「まずは願って下さい」
「願う‥?」
「『来年も必ず桜を見たい』と」
桜は、散る。この世に長く留まることなく。
だからこそ、希望がある。
「願って。希望を持って」
一年に一度しかないからこそ、その時を待ち望み 請い願い、そして生きる力になる。
「‥ね?沖田さん」
貴方に生きて欲しい。生きて、来年もまた───
「また会いたいと願ってくれるなら、私が“希望”にはなれませんか」
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