君と、ここで
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鮮やかに咲き誇る桜の木々。白に仄かに紅が加わった花弁が降る。
日本が最も輝く風景の中に、“彼”は立っていた。
「───沖田さん‥!!」
気持ちが先走って、呼吸を整える事も忘れていた。自分の名前に反応して振り返る彼の顔を見たら、今度は呼吸が止まってしまいそうだった。
「春華さん」
そう言って微笑む沖田さんの笑顔に、やっぱり息が一瞬止まった。顔は火傷寸前。‥‥致命傷だなこれは。
「お、お久しぶりです!沖田さん」
「ええ。元気そうで良かった」
きっとさっきからの私のお転婆ぶりを見て言っているんだろうけど、一年ぶりの沖田さんの言葉は何だって私を嬉しくしてくれる。
「沖田さんもお元気‥───」
『お元気そうでなによりです』と言おうとしたのに、沖田さんの笑顔を見ていたら そう続けられなくなった。
元々色白なのに、更に白くなったのではないかという程の肌。線も更に細くなり、表情が儚い。
丁度、辺りに吹雪いている桜と重なった。
「──春華さん?」
「へ‥?」
「手‥」
自分の手の行方を追ってみると、いつの間にか沖田さんの袖を掴んでいた。
「わわっ!ご、ごめんなさい!」
慌てて手を離すと、沖田さんの方から今度は手を握ってきた。突然の出来事に、思考回路が一時中断。
「‥少しだけ、こうしていても良いですか?」
とっさのことに言葉が出なかったから、思い切り頭を縦に振る。
沖田さんはくすりと笑った。
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