君と、ここで
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桜咲き乱れる 華の都・京都。
八分咲きを過ぎる頃になると花見の人口が増えて、花見が増えると宴会の話が増える訳で。宴会が増えると‥
「春華!! 二番の席に酒瓶追加!」
「はぁーい!」
我が家が栄える。
「酒瓶入りまーす!」
一気に忙しくなるこの季節は、嬉しいようで大変なようで‥‥やっぱり嬉しい。
「あー! 谷呉服店さん今年も来て下さったんですね」
「春華ちゃんを見に来ましたんえ~!」
「またまたぁ~」
桜が咲く季節は私にとっては“再会の季節”。
年に一度の“同窓会”。
「春華!ちょっとこっち来い」
「はぁーい?」
お父さんも人使いが荒いというか。あれやれこれやれこっち来い、って。
「谷さん、すみません。失礼しますね」
「いやいや、仕事頑張ってな」
谷呉服店の皆に軽く挨拶をしてから、私は仁王立ちしている父の方へ駆けていった。
「何?」
父まであと数歩という所で私はピタリと歩みを止めた。視界に入ってきた“あるもの”に拒絶反応を起こしたからだ。
「一番の席にコレを運んでくれ」
「ヤダ」
「‥親に口答えするな」
「ヤーダ」
何で花の乙女がこんなに重そうな“酒樽”運ばなきゃならないの!? と、お父さんを睨みつけて訴えてみる。
が、父の次の言葉に私の態度は一変した。
「一番の特等席。あの方々だぞ?」
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