第五話『bloom』
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進むべき道はどれだろう
歩むべき道はどれだろう
私自身が何者であるか
何一つわからない私でも
貴方となら
それがわかるような気がした
【第五話 bloom】
「とりあえず打ち合ってみるか」
「はい」
時は昼過ぎ。場所は例の“秘密の薬草園”の手前の、少し開けた空間。
コイツと対峙するのは初めてだが──まずもって覇気は薄いな。
「正式な場でも何でもないから、好きにやってみろ」
「はい!」
心地いい返事を返すと、結希はキリッと表情を引き締めた。集中力はかなりあるようだ。
「来い」
言った瞬間、結希は踏み切った。反応もいい。
そんな風に色々と評価を定めている内に、結希は俺に向かって幾つか打撃を繰り出した。それに応えて俺も試しに何発か返してみる。──なる程、反応はいいが、戦闘的な体の捌きはまるでなってないな。そして、力がない。
まぁ剣も持ったことがない初心者で且つ女じゃあ仕様のないことだが。
でも結希の下手なりに必死で真剣な姿を見ていると、何故か胸の奥が温かくなるのを感じた。
──これは、親愛?
何故?数日前に出会ったばかりのはずのコイツに?──考えるけれど、答えなど出てこない。
これが本能というものだろうか。
思って、思わず苦笑を漏らす。
大の大人がすっかり振り回されているではないか。
「えぇい!!」
「っと」
ぼやぼや考えていると、隙をつかれて危うく打撃を食らいそうになる。
本当に集中力が切れないようだ。
感心して、思わず悪戯心が湧き上がってくる。──予想外の出来事には、どう動く?
再び繰り出された剣を剣で受けつつ、俺は片足を地から離し──回した。
「きゃっ‥!?」
「───へ?」
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