第四話『Light in the Dark』
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強くなりたい
消えたはずの記憶から
湧き出てくる確かな感情
私の知らない“私”は
きっと
弱い人間だったのだろう
【第四話 Light in the Dark】
夢を見た。
記憶を持ち合わせない私だから、きっとあれは“私”の潜在的な部分。
けれど夢は朧気に消えて行くもの。だから映像を記憶することはできなかったけれど。──どこか物悲しい感情だけが、この胸に残されていた。
「‥ん‥‥」
静かに瞼を刺激する朝日に目覚めさせられた。そっと瞼を上げれば、木目の揃った天井が朧気に視界に入ってくる。
私はしばらく微睡みの中に身を委ねていた。鳥の囀りが聞こえる。雀だろうか。辺りに人の気配は無い。障子越しに射し込んでくる朝日は、白くぼんやりとしていた。部屋が、世界が、白い光で満ちていた。
その時だった。
「──っ‥!?」
失われた筈の記憶に、何かが引っ掛かったのは。
「‥ぁ‥」
──嫌だ‥
──怖い、怖い
──白い部屋
──‥一人にしないで‥
突如起こった恐怖心に、私は自分自身を抱き締めることしか出来なかった。
「──大丈夫か 結希!!?」
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