《第十四輪》




 ありがとう。

 交わす言葉は、それ以上無かった。


 もう、お互いがお互いの言葉を想いを分かっていた。


 瞳が伝え、


『行け、平助』

『死ぬなよ、新八っつぁん』




 背中で感じ、



『『俺達は何処にいたって』』
『『いつまでだって』』


『『友達だ』』





 心に、誓う。




『『生きるんだ』』









 確かな過去。
 歩んできた今までに、背を預け、走った、先に──見えていた、微かな 未来。

 勇気の一歩。







 瞬間、背中が感じた、一筋の闇。







──世界ヲ切リ裂ク
    音ガシタ
───








 瞬間、手を伸ばした。


 けれど、








「平助ぇぇえぇっ!!」








 空を、掴む。

 体が、熱を発し、そして、冷めた。
 






 迫る地面。
 近づく、耳障りな騒音。

 通り抜ける、一迅の風。




 ちっぽけな手が、何かを掴んだ。








――――
前にあるのは二つの選択肢、道。

どうやって生きる‥?
命を、どう使う‥?

選ぶのはあなた。

――――
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