《第五.五輪》
「‥平助お前離れやがれ」
新八っつぁんの呆れ声にハッとして面を上げると、薫ちゃんが姿を消している。──違う、俺の腕の中にすっぽり埋もれているんだ。
「あっ、ごめん!思わず‥!」
「ばーか」
呆れたように笑うと、新八っつぁんは真っ赤になった薫ちゃんの方を見遣った。
「でも、平助が薫ちゃんに夢中な理由が分かった気がする」
「えっ!? やだやだ新八っつぁんにだって絶対譲らな「うっさい馬鹿へー」」
本日二度目のハリセンの登場に、視界に星が散った。
「まぁ、こんな馬鹿(ヤツ)だけど 良い奴だから。よろしくね、薫ちゃん」
「は、はい!」
「薫ちゃん 馬鹿は否定して、馬鹿は!」
えー?と、新八っつぁんと一緒になって悪戯っぽく笑う彼女にはかなわないけど!
「私も藤堂さんがありのままでいられるような存在になれるように頑張りますね!」
なんて、とても意気込んで君が言うもんだから、思わず赤面してしまった。
「あっ、藤堂さん顔真っ赤!」
「あああ赤くなんてないよ!!」
「あっ‥。いきなり嘘つかれた‥」
なんて言って薫ちゃんは新八っつぁんに オヨヨと泣き真似して縋りつく。
羨ましいなチクショウ新八っつぁん!
無意味に燃えた嫉妬心に突き動かされて、俺は思わず本音がポロリ。
「あぁもぅ赤いよ真っ赤だよ!!」
君に夢中だからね!
君の望むように真っ直ぐ言えば、君は俺以上に真っ赤に頬を染めた。
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平助のテンションが異様に高い(笑) そして新八っつぁんの扱いが酷い(笑)
(そして山南さんはいつの間にかフェードアウト←)
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