utopia
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委員会が終わっていた総司と、昇降口で待ち合わせた。
もう大分日が傾いていて、太陽は夕日に近い。
「遅くなってごめんね、総司」
「大丈夫大丈夫」
許容範囲だよ、と総司は笑って言った。思わず私も笑う。
「平助と話してたら長くなっちゃって‥」
「平助と?」
「うん」
最後のあの表情が 瞼の奥に焼き付いて、離れない。
あれは、何だったのだろう。
『俺達‥幸せ だよな』
何を思って あんな言葉を口にしたのだろう。
「‥‥ねぇ、最近 平助が元気無いと思わない?」
「え‥?」
「なんかこう‥哀愁、みたいなの‥漂って」
時々、何かを憂いているような 表情を見る。
変に大人びているような雰囲気も。
私には分からない・知らない“何か”が、平助には 確かにあるのではないかと、思う。
すると、総司が突然歩みを止めた。
「‥?総司?」
少しだけ 沈黙して、総司はポツリと呟くように話した。
「‥‥‥最近、嫌な夢を見る とは言ってたよ」
「嫌な‥夢?」
「そう。嫌な‥過去の夢」
――嫌な‥ 過去‥?
そんな話は、知らなかった。聞いた事もなかった。
「‥‥何があったのかな‥」
あんなに今は、明るい性格なのに。
普段の様子からすれば、辛い過去があるようには見えない。
それに、“過去”とは一体いつ頃の事なのだろうか。
それすら分からなくて。
私は、自分が知らない事が多い事を 思い知った。
そして同時に、悔しかった。
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