歩調が次第に、遅くなる。
それと反比例して 心臓は煩くなる。



――‥ドクン‥ドクン‥




辛いのか

苦しいのか

怖いのか



でも、“彼”にそれを今の今まで 二百年もの年月味わわせてきたのは誰だ。


‥‥私自身じゃないか。



何を怖がっている。




“彼”が‥ 待っているじゃないか――









そして私は 辿り着く。









――‥ドクン‥ドクン‥




まだ、泣けない。




――‥ドクン‥ドクン‥




まだ、泣いてなどやるものか。





一度眼を閉じて、心の中に嘗ての“此処”を思い浮かべる。




‥確かに蘇る 皆の姿、声、笑顔‥――




瞳を開き、歩み出す。






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