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あの日。
桜が鮮やかに咲き誇っていた頃の、あの日。
奇跡というものを、目の当たりにした。
信じさせられた。
――――春華‥さ‥――――
瞳を反らせなかった。
反らせる筈がなかった。
だって、それは
あまりにも優しい “奇跡”。
どうしよう。
何を話そう。
何から持ち掛けよう。
ぐるぐる思考が堂々巡りする頭を抱えて、昼休みになると 逃げるように中庭の桜の木の下へ行った。
‥と、ふと思った。
彼女が仮に『過去』を覚えているのだとしたら、アノ『血の日』の記憶だってあるのだと。
突然、怖くなった。
あんな血にまみれた日の事を、覚えていて欲しくない。
あまりにも残酷すぎる‥。
そして、願った。
彼女が全てを忘れてくれている事を。
(でも、やはり
『覚えていて‥』
と願ってしまう自分が居るのもまた、事実だ。)
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