utopia
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少しの沈黙の後、苦しげな声が、隣から 小さく発せられた。
いつも私を安心させてくれる彼の声が、今は少しだけ‥低い。
「きっと‥ 誰にでもあるんだよ。」
そう言う総司の表情が、酷く悲しげで。少し 不安になった。
‥いや、かなり だ。
「‥‥総司も、過去の夢とか‥見た事あるの‥?」
私のふとした質問に、総司は一瞬驚いたような顔をした。
そして、切なげに笑んだ。
「‥あるよ。よく見てた」
「え‥」
「――雲一つ無い空の下に 自分以外‥誰も居ない夢」
想像してみると、凄く 怖くなった。
世界に独り、取り残される恐怖‥。
「‥‥それって、凄く‥怖い‥」
「うん、そうだね」
「‥‥まだ‥見るの‥?」
世界に独りきり。
それを本当に味わったら、どんなに怖い事だろう。
どんなに苦しい事だろう。
「――‥いいや」
総司は、笑った。
「もう 転校してきてからは、見てないよ」
「転校してから‥?」
「そう」
とても綺麗に。とても優しく。
私の目を見て、笑った。
「春華に会ってから。って言っても 過言じゃないかもね」
一瞬、冗談半分で言っているのかと思った。
けれど、そんな考えは、すぐさま消えた。
私の目を見て言う総司の瞳が、
あまりにも真っ直ぐで、あまりにも 綺麗だったから。
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