君と空と黒猫と
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〈 ‥‥ニャー‥ ‥ 〉
微かに 猫の鳴き声が聞こえた。
「‥‥ 黒猫‥?」
それは見事な 黒猫だった。
その名の通り 猫なで声で鳴いて、歩み寄ってくる。
猫には嫌われる性質な私には、初めての事だった。
しかし
まだ小さい黒猫は 弱々しく、儚くて
今にも消えてしまいそうで
今の自分を彷彿させた。
「‥‥‥‥弱い‥‥。」
今の自分の弱さを想像させて
―― 壊シタ ク ナッタ――
〈 ‥‥ ‥カチャ‥‥ 〉
手にしていた刀を握り直す。
左の肩を引き、右足を出して半身に開く。
剣先は、定法よりも 右へ。
切っ先を猫に向けると、ソレは静かに その場に座った。
「‥ ‥何故 逃げない‥‥」
猫は少しも動じず、じっとこちらを見つめている。
「‥‥死にたいのか‥」
私のように。
「‥‥ ‥‥それなら‥‥」
彼女の御元に 先に 逝け。
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