油小路
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何処かで 鈴の音がした。
――‥カラン ‥コロン‥
聞き覚えのある、木鈴の音。
「‥‥ 春華‥チャン‥?」
暗雲が立ち込め、薄暗くなった周囲に 彼女の姿ははっきりと見えた。
いつも通りの服装に、手には 薬差しのようなもの。
彼女は倒れている人々に、順々に何かを与えているようだった。
――末期ノ 水‥‥?―――
「っ‥助‥けて ‥‥平助を‥っ春華ちゃん‥っ!!」
嗚咽が洩れて、上手く声が出なかった。
でも、やっと彼女は気付いてくれた。
「春華ちゃん‥ こいつ‥っ つ、冷た‥っ‥助‥」
何を言っているのか、自分でも分からない。
でも彼女はゆっくり微笑ってくれて。
平助の横で膝を折った。
手に持った薬差しを 一口‥二口‥
もしかしたら、もう二度と開けないんじゃないかと思ってた瞼を、平助はゆっくりと開けた。
「あー‥ 春華ちゃんが居る‥何でー‥?」
「‥馬鹿っ‥助けてくれたんだよ‥っ」
そっか、と言って、平助は嬉しそうに笑った。
「ありがとー‥。おかげで、楽に逝けそう‥‥」
「!!!‥ ‥っに言って‥っ」
ドクドク‥ ドクドク‥
赤が広がる。
「帰るんだよ!! お前は‥!!」
ウソ、ダ。
本当ハ、ワカッテル‥―――
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