終わらない夜
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中は怖いぐらい静かだった。
外の世界が遠巻きに聞こえる。
「春華!!」
静寂に突然響いた声に、心臓が跳ねた。
「す、烝!」
「阿呆!何で戻ってきたん!!」
当然の言い分だと思った。
「‥ごめん」
でも
「――‥でも、烝達だって‥狡いよ」
私は“私”という 一つの個だから
「自分の道は 自分で選ぶ」
暫くの沈黙の後、烝は盛大に息を吐いた。
「‥ほんま‥アンタらは よぅ似とるわ」
「アンタ“ら”?」
ああ、と言って烝は奥を指差した。
「沖田さんの所へ行ってやり。この奥や」
「うん」
と、奥に進もうとしたら 烝に急に腕を掴まれた。
「‥? 烝?」
「あ‥、いや‥」
悪い、と言って 烝はすぐに手を離した。
「‥何でもあらへん」
「‥そ う‥?」
烝は いつか見せた事がある表情をした。
あれは 総検診の時の
「‥じゃあ、私行くね」
「‥ああ」
不安そうな 顔。
「気を付けてね、烝」
「‥お前もな」
それでも私は 前に行く。
本能が 叫んでいるから。
「――‥嫌な予感がするっちゅうても‥‥お前は行くんやろうな」
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