終わらない夜
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彼女の声が聞こえた気がした。
――‥こんな所に居る筈がないのに。
『――PEACE MAKER――』
でも、空耳なんかじゃないのだと、すぐに理解した。
――春華さんが来ている――
何故居るのかは分からない。
けれど、行かなくては。
外に出るのを止めようとする負傷した隊士達を振り切って、私は表に近い廊下まで出向いた。
「!‥‥っ‥ゴホッ」
煩わしい―――この身体。
「イー―んスかっ? 勝手にナカ始めちまってェー―~?」
「イー―んじゃねェ? どーせ外の黒い連中も同類だろぅしヨー!」
ただ、彼女の元へ行こうとするだけで、侵された肺が悲鳴をあげる。
「ともかく合図があるまでブッ殺しまくりゃーイイって言われてんだ。
病人・ケガ人ふくめてヨォー」
彼女の元へ行きたいのに。
「ゴホッゴホッ‥」
「あ」
――何故戻ってきた――
「ゴホッ‥ケホ コフ‥コフッ‥ ゴホッ」
「標的発見。」
――何故 この様な醜い世界に‥――
「ゴホッ ゴフォッ‥ゴフゥッ ケホ‥エホッ‥」
――醜い――
「おうおう!! 可哀想に苦しそうだネェ!」
――汚い――
「イー―~マ お兄さん達が楽にしてあげるヨー~!!」
――汚い――
「‥汚い。」
全てが、汚い。
「汚い」
この浪人共も
「汚い‥‥」
この身 すらも
「‥‥‥」
嗚呼… 彼女の元へ行かなくては。
こんな世界からは、一刻も早く 救い出さなければ。
全ての音は止み、視界は前だけを捉えた。
障害物が、見える。
ああ。邪魔だから、斬らなければ。
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