そして紅い月
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『行かないと』
そう思った。
“悪化”という現実から目を逸らそうとした訳では、決してない。
今自分に出来る最良の手段を採ろうとしたのだ。
「春華?」
門を出ようとしたら、鉄に呼び止められた。
「え、こんなもう暗いのに何処行くんだよ?」
「おつかい」
出来るだけ明るく答えた。
鉄は知らないから。
「“おつかい”!? 町に出たらもう夜になるぞ!? 危ないって!!」
一つだけ、気になる事があった。
「誰が行けって言ったんだ!? 副長か?烝か? 沖田さん‥はないよな」
そう。普段なら、言わないのだ。
「沖田さんがそんな危ない事 春華にやらせる訳がないんだ」
例え僅かでも私の身に危険が及ぶような事を。
「‥ごめん、鉄。でも、もう行くね‥」
「春華!」
考え過ぎだ‥‥
「ありがとう」
自惚れだと自分に言い聞かせて、私は門を抜けた。
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