開花の時を告げる花
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「‥‥で、そいつがマリアって事か」
「はい」
私はマリアに被らせていた布を取らせた。
「ほぉ‥‥ぅ。成る程‥な」
「勝さん‥どうにか‥なりませんか」
「‥む‥ぅ」
流石の勝さんも腕を組んで暫く考え込んだ。
「‥よし、何とかしよう」
「本当ですか!?」
「ああ」
すると勝さんは立ち上がって、マリアの前に歩み寄り しゃがんだ。
「一人の人間の命だ。な」
勝さんが優しくマリアの頭を撫でると、マリアは安心したように顔を綻ばせた。
別れの時が来た。
「Will you go...?」
そう言って袖を引っ張るマリアが可愛くて、思わずその頭を撫でた。
目線を合わせる為にしゃがむ。
「I wish I could be with you..,but...」
私には私の、帰るべき場所があるから。
「I give you my promise,Maria.」
「Your promise?」
「Yes.」
日本は今、開花の時を迎えようとしているから。
「I'll visit you sometime in the future,surely.」
新たな時代を迎えたら、必ず会いに行くよ。
「This is the promise.」
これが、約束。
「Farewell,Maria...」
「...Farewell,春華. Thank you for your many kindnesses to me...」
“Farewell”
長い旅へ発つ人と人との、別れの挨拶。
感じろ、風の流れを。
気付け、光の差す方向に。
その身にたぎる血潮に響く
警鐘を聞き逃すな。
『開花の時を告げる華』-終