招かざる来訪者
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パシッという音と共に、我に返った。
「およしなさい」
知らない内に手をあげようとしていた事に、沖田さんが私の手を制しているのを見て初めて気付いた。
「あ‥」
いつもは優しい沖田さんの顔が、今は険しい。
「駄目ですよ、春華さん」
――私が悪いの‥?
そんなにこの人が大事なんですか?
もう 分からない
自分の中で渦巻くどす黒い感情に押しつぶされそうになった。
と、ふと 私の手を掴む沖田さんの手が酷く優しい事に気付いた。
(「‥あ‥‥れ?」)
「駄目です、春華さん。貴女が手を痛める必要は無い」
沖田さんは、その手で私の手を優しく包んだ。
「貴女の手は人を癒やす為にあるんですから‥ね」
今度は優しく笑んでくれた。
沖田さんはお花さんの方に振り返って、少し怖い声で告げた。
「お勤めご苦労。お仲間はたった今全員お縄にかかりましたよ、密偵さん」
「え‥?」
密偵‥?
隣でお花さんが舌打ちするのが聞こえた。
「‥いつから分かってたの」
「最初っから、ぜーんぶです」
思わず唖然とした。
「だから、毒を盛られたら困るので料理はさせなかったし、掃除なんかで書類盗まれちゃ大変だから、何にもさせなかったんですよ」
もう一度舌打ちをするのが聞こえた。
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