I love you
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
全くこの状況が理解できない。
資料を(会計方の)河合さんに渡しに行こうと部屋を出たら、突然走ってきた鉄に思い切りぶつかられた。
まぁそんな事はしょっちゅうあるから良いとしても、何で鉄の後ろから沖田さんが鬼のような空気を纏いながら刀を手にして追いかけてくるんだ!?
「辰兄ごめん!!」
「へ?」
鉄は迫り来る沖田さんに向かって言いながら、俺を置いて逃げ出した。
「沖田さん!! オレより辰兄の方が異人の言葉よく知ってますから、辰兄に訊いた方が良いですよ!」
「!!?何の話だ鉄!!?」
何でいきなり異人の言葉の話になる!?
問い詰めようと鉄の方を向いても、時既に遅し。鉄は逃げ足だけは早いんだ。
と、そんな事をしている内に当然沖田さんは俺の所まで辿り着いている訳で。黒い空気を携えた沖田さんは俺の前に立ちふさがった。
「辰之助さん‥」
「な、なななな何でしょう?」
「一つ問いに答えてくれるだけで良いですから、ね?」
「は、はい」
いつもの笑顔ではあるけど、どう見ても黒い。
「“I love you”って何ですか」
「‥はい?」
「だから、“I love you”って何ですか?」
今は亡き父に、嫌という程叩き込まれた異人の言葉があります。
そうですそうです。あの破天荒な父です。
『いいか、辰之助。いつか将来好きなガールが出来た時は、スウィートな声でこう言ってあげなさい。――――‥』
「ぬぉぉぉぉぉお!!?」
「さぁ答えて!辰之助さん!」
そんな恥ずかしい事誰が言えるか!!!
「むむむむ無理です!!!」
「何故!!!!」
「無理なものは無理です!!!」
どごっ
‥『どごっ』?
「‥何で鉄クンも辰之助さんも無理だって言うんですか‥」
かかか刀!!? 刀が脇にささささ刺さって!!?
「人間無理だと思ったら何も出来ないんですよ!?」
意味が分かりません!!
「だから勇気を出して、さあ!」
刀で脅されつつ何故か励まされるという意味不明な状況に、何が何だか分からなくなってきた。
「これ以上反抗するなら、‥泣きますよ?」
え!?泣き落とし!?
「三、ニ、一‥」
あ゙ぁぁあーっもう!!
本気で泣き出しかねない沖田さんに負けて、とうとう答えてしまった。
恥ずかしすぎて、耳と頬が焼けるように熱くなった。
相内さんめ‥。
この胃の痛みは忘れない‥。
+