祖国のタカラ
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騒々しく走って来て、戸が力任せに開かれた先には 佐之さんと永倉さんが居た。
「お祭り?」
「そう! お祭りだヨ」
「近くの神社でやるんだよな~。秋から冬にかけて唯一の祭り! あそこはお狐様を祀る祭りを――――」
佐之さんは勢いに任せて、何処で仕入れてきたのか うんちくを語り出した。
きっと、年中祭男みたいな佐之さんには堪らない行事だろう。
「良いですね~。日本のお祭りは久し振りです」
「な!良いだろー? 今年こそ紅一点でえんややんやだ!」
えぇ?と私が苦笑すると、沖田さんが微妙に笑みを浮かべていた。‥何処か、黒い。
「ふっふっふ‥。佐之さん、永倉さん。貴方達は行けませんよ」
「「えぇ!!? 何で!!?」」
「巡回があるからです」
更に ふふふ、と黒い笑みを浮かべる沖田さんを見て、少し背筋が冷えたのは きっと気のせいだ。
「えー!!? 何で今日に限って‥」
「ふふふ‥。私に被りそうだったので 少ーしずつ、少ーしずついじりましたからね。」
「「っ‥‥!!」」
沖田さん。それ、普通に職権乱用です。
お土産を沢山買って帰る、という契約の上 永倉さんと佐之さん両名は渋々退室していった。
その直後、沖田さんは 『今すぐにでもこの着物に着替えてくれ』、とでも言いたげな爛々とした瞳を私に向けた。
‥だから、私は沖田さんに弱いんだってば。
「‥えっと、‥く、薬でも調合してこようかな」
取り敢えず逃げてみた。
何はともあれ、夕方が楽しみだ。
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