僕の空、君の空
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春の日差しが心地良い。
そんな、昼下がり。
柔らかく 風が吹いた。
(「‥あ」)
西風だ。
そう気付くだけで、嬉しくなる。
「おいソージ。呆けてないで掃除しろ」
心地良い風に手を休ませていれば、土方さんのお叱り。
「もー。いい加減“ソージ”じゃなくて“総司”って呼んで下さいよー」
「何でも良いだろ、ちゃっちゃとやれ」
そう言って土方さんは煙管に火を点けた。
土方さんの吐いた煙りが、ゆったりと風に乗る。
「‥‥風が気持ち良いな」
ぼそりと土方さんが呟く。
流石土方さん。目の付け所が違う。
「ですよね。春が来てるんですよ、春が」
また、西風が吹く。
優しくて、柔らかくて、温かい。
この風の元の存在を、目を閉じて思い浮かべる。
「へへへ~」
「何だよ気持ち悪りぃ」
この空の続く ずっとずっと西の果てに、彼女は居るんだな。
そう一人考えると、心が躍る。
「ねぇねぇ土方さん!“風”を題材に一首俳句作って下さいよー」
「あ゙?そんなすぐに出来るかっての」
「えーっ?」
君が風を、春を運んでくれるのならば、私からは朝日を贈ろう。
東より出づる太陽が、君の目覚めを優しいものとするように。
あの春に
優しさ届けよ
僕の空
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