Chris Redfield
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恋人の日
「今日は恋人の日なんだって」
休日、ソファで各々過ごしていた二人。本を読んでいたナマエが、思い出したように口を開いた。
「そんな日があるのか。……由来は?」
「わからないけど」
「へえ」
「何か恋人らしいことしましょっ!」
また何か始まったぞ、とクリスは思いながら、その提案に微笑んだ。
「いいぞ。俺は何をすればいいんだ?」
「うーん……恋人らしいことといえば……じゃあ、"手を繋いで、キスをする"?」
クリスは読みかけの本の上に置かれた彼女の手に、自分の手を重ねる。過酷な戦場で鍛え上げられた彼の掌は厚く、至る所に硬いマメができていて、ナマエの華奢な手をすっぽりと覆い隠してしまった。そしてその太い指を一本一本、ナマエの指の隙間に滑り込ませていった。
指先からじわりと肌を伝う、互いの体温。指の根元までぴったりと絡められ、男らしい骨張った感触がナマエの肌を擦る。ナマエが小さく握り返すと、クリスはその愛らしい抵抗に応えるように、親指の腹でナマエの手の甲をゆっくりと焦らすような強さで撫でた。
次にクリスは、絡めた指をそのままに、ナマエの手を自身の顔の高さまで持ち上げた。まずは白く滑らかな手の甲に、そっと唇を押し当てる。
「……クリス?」
ナマエの呼びかけにチラリとだけ目を向けて、硬い無精髭の生えた自身の頬にナマエの手を沿わせた。猫のようにすり、と甘える仕草で彼女の手のひらに頬を擦りつける。そして今度は手のひらの中心に、吸い付くようなキスをひとつ。
最初はニコニコしていたナマエだったが、クリスの色気の滲んだ一連の動作に気圧され、生唾を飲み込んだ。
「……フフッ」
そのわかりやすい反応に、クリスは思わず笑みをこぼした。彼女の膝の上にあった本はサイドテーブルへ避け、ナマエの顎に指を沿わせる。指の腹でナマエの少し湿った唇をなぞれば、彼女は少し身構えて身体を固くした。クリスはふっと目を細めると、まずは挨拶代わりに触れるだけのキスをする。
ちゅ、と小さなリップ音が静かな部屋に響く。一度離れ、角度を変えてもう一度。何度か繰り返し、ナマエの唇がわずかに開いたのを確認した瞬間、クリスの瞳に嗜虐的な光が灯った。
「あ……っ」
彼女の柔らかい下唇を自分の唇で挟み込み、軽く吸い付いた。上唇も同様にして、逃がさないように丁寧に輪郭を味わっていく。
快感に恥ずかしくなったナマエは、すこし頭を引いて逃れようとした。だが、クリスがその隙を与えるはずがない。ナマエを追いかけるようにしながら、はむはむと執拗に唇を味わった。
「ま、待って……」
「待てないな」
ナマエの要望を掠れた声で却下すると、クリスはそれ以上彼女が逃げられないように、無骨な手をナマエの頭の後ろに回し、深く口付けた。
「んんッ!」
こじ開けられた隙間から、クリスの長めの舌が容赦なく侵入する。ナマエの柔らかな口内を隅々まで蹂躙し、逃げる舌を絡めとり強く吸い上げた。
ナマエは、クリスのペースについて行くことにただ必死だった。わずかな抵抗として胸板を押し返すが、彼はびくともしない。クリスはナマエの唇を味わい続けた。
しばらく彼女を堪能し満足したのか、クリスはようやく唇を離した。繋がっていた銀の糸がぷつりと切れる。
いつのまにか押し倒すかたちになっていることに気付いたクリスは、自分の下にいる恋人をまじまじと見る。その頬は上気し、とろんと蕩けていた。視線が絡み合う中、ゆっくりとナマエの頭を撫でる。
クリスは自身の濡れた唇を舌でひと舐めし、尋ねた。
「手を繋いで、キスをして、……その後は?」
頭を撫でる手の熱から、彼の抑えきれなくなった情欲を感じ取ったナマエは、明日の自分の身体を案じて身じろいだ。
fin.
「今日は恋人の日なんだって」
休日、ソファで各々過ごしていた二人。本を読んでいたナマエが、思い出したように口を開いた。
「そんな日があるのか。……由来は?」
「わからないけど」
「へえ」
「何か恋人らしいことしましょっ!」
また何か始まったぞ、とクリスは思いながら、その提案に微笑んだ。
「いいぞ。俺は何をすればいいんだ?」
「うーん……恋人らしいことといえば……じゃあ、"手を繋いで、キスをする"?」
クリスは読みかけの本の上に置かれた彼女の手に、自分の手を重ねる。過酷な戦場で鍛え上げられた彼の掌は厚く、至る所に硬いマメができていて、ナマエの華奢な手をすっぽりと覆い隠してしまった。そしてその太い指を一本一本、ナマエの指の隙間に滑り込ませていった。
指先からじわりと肌を伝う、互いの体温。指の根元までぴったりと絡められ、男らしい骨張った感触がナマエの肌を擦る。ナマエが小さく握り返すと、クリスはその愛らしい抵抗に応えるように、親指の腹でナマエの手の甲をゆっくりと焦らすような強さで撫でた。
次にクリスは、絡めた指をそのままに、ナマエの手を自身の顔の高さまで持ち上げた。まずは白く滑らかな手の甲に、そっと唇を押し当てる。
「……クリス?」
ナマエの呼びかけにチラリとだけ目を向けて、硬い無精髭の生えた自身の頬にナマエの手を沿わせた。猫のようにすり、と甘える仕草で彼女の手のひらに頬を擦りつける。そして今度は手のひらの中心に、吸い付くようなキスをひとつ。
最初はニコニコしていたナマエだったが、クリスの色気の滲んだ一連の動作に気圧され、生唾を飲み込んだ。
「……フフッ」
そのわかりやすい反応に、クリスは思わず笑みをこぼした。彼女の膝の上にあった本はサイドテーブルへ避け、ナマエの顎に指を沿わせる。指の腹でナマエの少し湿った唇をなぞれば、彼女は少し身構えて身体を固くした。クリスはふっと目を細めると、まずは挨拶代わりに触れるだけのキスをする。
ちゅ、と小さなリップ音が静かな部屋に響く。一度離れ、角度を変えてもう一度。何度か繰り返し、ナマエの唇がわずかに開いたのを確認した瞬間、クリスの瞳に嗜虐的な光が灯った。
「あ……っ」
彼女の柔らかい下唇を自分の唇で挟み込み、軽く吸い付いた。上唇も同様にして、逃がさないように丁寧に輪郭を味わっていく。
快感に恥ずかしくなったナマエは、すこし頭を引いて逃れようとした。だが、クリスがその隙を与えるはずがない。ナマエを追いかけるようにしながら、はむはむと執拗に唇を味わった。
「ま、待って……」
「待てないな」
ナマエの要望を掠れた声で却下すると、クリスはそれ以上彼女が逃げられないように、無骨な手をナマエの頭の後ろに回し、深く口付けた。
「んんッ!」
こじ開けられた隙間から、クリスの長めの舌が容赦なく侵入する。ナマエの柔らかな口内を隅々まで蹂躙し、逃げる舌を絡めとり強く吸い上げた。
ナマエは、クリスのペースについて行くことにただ必死だった。わずかな抵抗として胸板を押し返すが、彼はびくともしない。クリスはナマエの唇を味わい続けた。
しばらく彼女を堪能し満足したのか、クリスはようやく唇を離した。繋がっていた銀の糸がぷつりと切れる。
いつのまにか押し倒すかたちになっていることに気付いたクリスは、自分の下にいる恋人をまじまじと見る。その頬は上気し、とろんと蕩けていた。視線が絡み合う中、ゆっくりとナマエの頭を撫でる。
クリスは自身の濡れた唇を舌でひと舐めし、尋ねた。
「手を繋いで、キスをして、……その後は?」
頭を撫でる手の熱から、彼の抑えきれなくなった情欲を感じ取ったナマエは、明日の自分の身体を案じて身じろいだ。
fin.
