Chris Redfield
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バニーガール
その日、クリスとナマエはオブライエンのオフィスに呼び出されていた。
「クリスとツーマンセルかぁ。久しぶりで緊張しちゃうな」
「最近は単独任務が多かったんだろ?」
「うん、そう。潜入調査だとどうしても一人で行くことが多いね」
雑談を交わしながら、二人は足早に代表の元へ向かう。ガチャリと重い扉を開けると、机いっぱいに資料を広げ、唸りながら目を通しているオブライエンの姿があった。
「お待たせしました」
「ああ、来てくれたかおふたりさん。早速だが潜入調査を頼みたい。資料を携帯用端末に送るから、確認してくれ」
端末に表示されたのは、潜入先となる組織の情報。どうやらその組織はカジノを隠れ蓑にしているらしく、その裏では研究施設を構え、違法薬物を流通させているという噂がある。地元警察が追っていた案件だが、その薬物を使用したとされる者が次々と死亡。生物災害絡みも考慮して、専門家であるBSAAの協力のもとで芽を摘んでおきたい──という話らしい。
「カジノか……」
クリスが低い声で呟いた。
「この規模だとかなり人が多いだろうね。でも、そういう場所の方が逆に紛れ込みやすいけど」
「潜入経験の豊富なナマエが、今回適任だと思ってね。ただ、一人では広すぎる現場だ。クリスとナマエ、二人で協力して調査に当たってほしい」
了解、と揃って答える。資料をスクロールしていたナマエは、ある一文に目を留めた。
"潜入調査の実施に際しては、対象施設におけるカジノ従業員と同一の服装を着用すること。"
「オブライエン、これは……?」
画面を指し示すナマエに、クリスも同じ箇所を読み上げる。
「"カジノ従業員と同一の服装"?」
「あー、そうだった。その説明が必要だな……」
頭を掻き、オブライエンはタブレットをさらに操作しながら続ける。
「従業員の格好なら客から情報を引き出しやすいし、インカムを堂々とつけていても怪しまれない」
「理屈はわかるが、オブライエン。見慣れないスタッフがいたら怪しまれないか?」
「そこは対策済みだ。客役として、地元警察がお前たちに1人ずつ配置される。客と従業員が一緒に行動していれば、他の一般客やスタッフから声をかけられる確率も下がるだろう」
ピコン、とPDAが鳴る。オブライエンから追加で送られてきた資料には、隠し撮りと思しきカジノ従業員の姿が写っている。白いワイシャツに黒いベスト、黒の蝶ネクタイ。
そして二枚目──そこに写っているカクテルガールは、所謂"バニーガール"の格好をしていた。
「えっ……」
それを見たナマエは短く声を上げる。クリスはその反応を見て、代わりに抗議した。
「ちょっと待てオブライエン、流石にこの格好は……」
「そうだよ、クリスがバニーガールなんて目立ちすぎるでしょ!?」
オブライエンは思わず吹き出した。
「おっ……俺がこっちか!?どちらかといえばお前だろ、ナマエ!」
「ええっ!?じゃあクリスはどうするの?」
「俺は一枚目の、ベストと蝶ネクタイの…」
「ん?一枚目?……ああこれか!二枚目しか開いてなかった…え、私バニーになるの!?」
パン、パンと乾いた拍手が鳴り、オブライエンが二人の注意を引いた。
「お前たちは二人とも、一枚目のディーラーの格好だから安心しろ……まあどうしてもと言うならバニーガールの衣装も用意させるが」
「クリスが着られるサイズ、あるかな?」
「だからなんで俺なんだ……」
「ピチピチでムキムキのバニーの需要は、ニッチだがあるんじゃないか?」
「オブライエン…!??」
まさかの追撃に慌てるクリスを見て、ナマエはけらけらと楽しげに笑った。
***
「はーあ、結局クリスも私もディーラーの格好かぁ」
「残念だったな。バニー姿の俺を見られなくて」
「本当にね」
任務前とは思えない軽口を叩きながら、二人はカジノの裏口が見える路地で、手慣れた様子で装備の最終確認をしていた。
「ナマエのバニーガールなら見てみたかったんだがな」
「あっはは!私の?貧相な身体だし似合わないよ」
そのとき、二人のインカムに地元警察からの無線が入った。そろそろ客役の警官たちが到着すると言う。
「……まあ、本当に見たいならプライベートでね!」
「なっ……!」
見せてくれるのか?というかどういう意味だ?え、冗談だよな?いや、俺以外にも今まで見たやつが居るのか?……どこまで本気なんだ!?
「お、おい、ナマエ……!」
突然のナマエからの爆弾発言に、クリスの思考は一気に加速した。現着した警官を見つけ、歩き出すナマエを慌てて追いかけながら、ナマエに振り回されるのも悪くないなとクリスは思った。
fin.
※Xのお題募集で書かせていただきました
その日、クリスとナマエはオブライエンのオフィスに呼び出されていた。
「クリスとツーマンセルかぁ。久しぶりで緊張しちゃうな」
「最近は単独任務が多かったんだろ?」
「うん、そう。潜入調査だとどうしても一人で行くことが多いね」
雑談を交わしながら、二人は足早に代表の元へ向かう。ガチャリと重い扉を開けると、机いっぱいに資料を広げ、唸りながら目を通しているオブライエンの姿があった。
「お待たせしました」
「ああ、来てくれたかおふたりさん。早速だが潜入調査を頼みたい。資料を携帯用端末に送るから、確認してくれ」
端末に表示されたのは、潜入先となる組織の情報。どうやらその組織はカジノを隠れ蓑にしているらしく、その裏では研究施設を構え、違法薬物を流通させているという噂がある。地元警察が追っていた案件だが、その薬物を使用したとされる者が次々と死亡。生物災害絡みも考慮して、専門家であるBSAAの協力のもとで芽を摘んでおきたい──という話らしい。
「カジノか……」
クリスが低い声で呟いた。
「この規模だとかなり人が多いだろうね。でも、そういう場所の方が逆に紛れ込みやすいけど」
「潜入経験の豊富なナマエが、今回適任だと思ってね。ただ、一人では広すぎる現場だ。クリスとナマエ、二人で協力して調査に当たってほしい」
了解、と揃って答える。資料をスクロールしていたナマエは、ある一文に目を留めた。
"潜入調査の実施に際しては、対象施設におけるカジノ従業員と同一の服装を着用すること。"
「オブライエン、これは……?」
画面を指し示すナマエに、クリスも同じ箇所を読み上げる。
「"カジノ従業員と同一の服装"?」
「あー、そうだった。その説明が必要だな……」
頭を掻き、オブライエンはタブレットをさらに操作しながら続ける。
「従業員の格好なら客から情報を引き出しやすいし、インカムを堂々とつけていても怪しまれない」
「理屈はわかるが、オブライエン。見慣れないスタッフがいたら怪しまれないか?」
「そこは対策済みだ。客役として、地元警察がお前たちに1人ずつ配置される。客と従業員が一緒に行動していれば、他の一般客やスタッフから声をかけられる確率も下がるだろう」
ピコン、とPDAが鳴る。オブライエンから追加で送られてきた資料には、隠し撮りと思しきカジノ従業員の姿が写っている。白いワイシャツに黒いベスト、黒の蝶ネクタイ。
そして二枚目──そこに写っているカクテルガールは、所謂"バニーガール"の格好をしていた。
「えっ……」
それを見たナマエは短く声を上げる。クリスはその反応を見て、代わりに抗議した。
「ちょっと待てオブライエン、流石にこの格好は……」
「そうだよ、クリスがバニーガールなんて目立ちすぎるでしょ!?」
オブライエンは思わず吹き出した。
「おっ……俺がこっちか!?どちらかといえばお前だろ、ナマエ!」
「ええっ!?じゃあクリスはどうするの?」
「俺は一枚目の、ベストと蝶ネクタイの…」
「ん?一枚目?……ああこれか!二枚目しか開いてなかった…え、私バニーになるの!?」
パン、パンと乾いた拍手が鳴り、オブライエンが二人の注意を引いた。
「お前たちは二人とも、一枚目のディーラーの格好だから安心しろ……まあどうしてもと言うならバニーガールの衣装も用意させるが」
「クリスが着られるサイズ、あるかな?」
「だからなんで俺なんだ……」
「ピチピチでムキムキのバニーの需要は、ニッチだがあるんじゃないか?」
「オブライエン…!??」
まさかの追撃に慌てるクリスを見て、ナマエはけらけらと楽しげに笑った。
***
「はーあ、結局クリスも私もディーラーの格好かぁ」
「残念だったな。バニー姿の俺を見られなくて」
「本当にね」
任務前とは思えない軽口を叩きながら、二人はカジノの裏口が見える路地で、手慣れた様子で装備の最終確認をしていた。
「ナマエのバニーガールなら見てみたかったんだがな」
「あっはは!私の?貧相な身体だし似合わないよ」
そのとき、二人のインカムに地元警察からの無線が入った。そろそろ客役の警官たちが到着すると言う。
「……まあ、本当に見たいならプライベートでね!」
「なっ……!」
見せてくれるのか?というかどういう意味だ?え、冗談だよな?いや、俺以外にも今まで見たやつが居るのか?……どこまで本気なんだ!?
「お、おい、ナマエ……!」
突然のナマエからの爆弾発言に、クリスの思考は一気に加速した。現着した警官を見つけ、歩き出すナマエを慌てて追いかけながら、ナマエに振り回されるのも悪くないなとクリスは思った。
fin.
※Xのお題募集で書かせていただきました
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