Chris Redfield
Name Change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
どんな未来でも
「お疲れさま。今回の任務、ナマエがいたおかげでずいぶん助かった。おまえの判断はいつも正確だな」
クリスの労いが、任務で張り詰めた心をほぐしていく。
私は思わず頬を緩ませた。
「クリスに褒められて嬉しいよ。素直に受け取っておくね」
「ナマエ――いや。なんでもない」
クリスが一瞬言い淀み、目を伏せた。
「もしよければ、今日この後少し時間をくれないか。ゆっくり話したい。任務のことじゃなくて、ナマエ自身のことを」
その真剣な眼差しに、胸がドキッと跳ねた。
……私自身のこと?
もしかして異動? 人事の話?
「うん、私もクリスとゆっくり話したいなと思ってたよ」
仕事後に会う約束をして、また後でと別れた。
クリスからは、仕事の上がり時間が合うとこうして稀に食事の誘いをしてもらっている。わざわざ自由時間を私に使ってくれるということは、少しは期待していいのかな。
それとも、あの死の街をくぐり抜けてきたという特別な仲間意識?
***
私はクリスが好きだ。
クリスがSTARSの頃から私はこの想いを拗らせて、数年が経ってしまった。
クリスとジルと私は、共にラクーン事件をくぐりぬけ、生き残った数少ない仲間だ。
そんな経験もあってか、クリスは親密なパートナーをつくることを意図的にさけているというのを、以前同僚と話していた。
それもそうだ。私たちは大切な人を残して明日にでも死んでしまうかもしれない、BSAAという組織にいるのだから。
「諦められたら楽なのにな……」
「諦める?何をだ」
ため息混じりにポツリとつぶやいた言葉に、返事が来たので驚いて後ろを振りかえった。
「!!…なんでもないよ!」
「はは、そうか。待たせて悪かった。行こうか」
車のキーを持ったクリスのあとをついていく。
クリスへ想いを伝えて、もしフラれたら?
立ち直れないかも。
クリスも私も大人だから、何事もなかったかのように過ごしていくんだろうけど。
今はまだ、他の隊員より少しだけ親密なこのポジションに甘んじていたい。
***
レストランでの食事は、楽しいのにどこか落ち着かなかった。
クリスは時折何か言いたそうにしては黙り込んでしまう。
周りでは、週末ということもあり、ゆっくり食事をするカップルや夫婦で溢れていた。
私は居心地が悪くなり、つい空気をごまかすように口を開く。
「なんだか私たちもカップルみたいだね」
冗談のつもりだった。そうだな、なんて笑ってくれると思ったのに。
でもクリスは笑わず、ただ真剣に私を見つめていた。
その視線が心をざわつかせる。
――しまった。軽口すぎたかも。
「じょ、冗談だよ。あはは」
顔が熱くなる。取り消したいけど、もう遅い。
私の誤魔化しに、クリスは戸惑うように微笑んだ。
***
店を出たあと、クリスが「もう少し時間をもらってもいいか」と言った。車を走らせ、着いたのは夜のベイエリア。風が心地よく吹き、波の音が静かに響いている。
並んでベンチに腰を下ろす。
「……ナマエ」
やがてクリスが口を開く。
「さっきの言葉――俺は、冗談にはできない」
私は思わず彼を見上げる。
クリスは夜の街灯に照らされ、穏やかで、それでも決意を秘めた瞳をしていた。
「それって……」
「俺はおまえを仲間としてだけじゃなく……一人の女性として、大切に思っている。昔からずっと。」
突然の告白だった。自分の心臓がはじけそうなくらい早く動いているのがわかる。
ずっと望んでいたことなのに、隠してきた想いが大きすぎて。一言でも喋ったら、涙が溢れてしまいそうだった。
なんとかそれを押し込めて、私は言葉を続けた。
「私の心にはラクーンの頃から……クリスしかいないよ」
声が震える。
「だから、あなたの気持ちがとってもうれしい」
クリスはじっと、私の言葉に耳を傾けている。
「……でもクリスは、"自分はいつ死ぬかわからない。だから恋人をもつ資格がない"って、いつだったか仲間に話していたよね。私がクリスの枷になってしまうなら、この気持ちには蓋をして、明日からも同僚として働いた方がいいんだってその時思ったの」
だめだ、やっぱり泣いてしまう。
「だって、重荷になりたくない」
クリスはゆっくりと手を伸ばし、私の涙を優しく拭った。
「……ナマエ、それは違う。いや、確かにそう思っていた」
「………」
「俺たちはいつ死ぬかわからない仕事をしてる。誰よりも近くで、それを見せてきたと思う。
だから、誰かを傷つけるくらいなら一人で背負った方がいい――ずっとそう考えてきた。
でも……ナマエがいると俺は、『生きよう』と思えるんだ。枷なんかじゃない。むしろ、おまえを守るために俺は強くなれる」
なんて幸せなんだろう。
クリスの誠実な言葉が、私にじんわりと浸透していくようだった。
「ありがとう。
私は……あなたのその真っ直ぐなところに惹かれたんだよね」
「ここにくるまで、時間をかけすぎた」
「本当に」
クリスと私は顔を見合わせて、くすくすと笑った。
大人になると、どうしてこんなにも臆病になってしまうのか。
「これからは、お互いに隠さず伝えていこう」
「……うん」
「ナマエ」
静かな夜風の中、名前を呼ばれ、彼のたくましい腕に抱き寄せられる。
頬に落ちたキスは、優しくて、温かくて――。
ああ。ようやく伝わったんだ。
長い間、心の奥に閉じ込めてきた想いが。
「クリスとなら、どんな未来でも幸せだよ」
「お疲れさま。今回の任務、ナマエがいたおかげでずいぶん助かった。おまえの判断はいつも正確だな」
クリスの労いが、任務で張り詰めた心をほぐしていく。
私は思わず頬を緩ませた。
「クリスに褒められて嬉しいよ。素直に受け取っておくね」
「ナマエ――いや。なんでもない」
クリスが一瞬言い淀み、目を伏せた。
「もしよければ、今日この後少し時間をくれないか。ゆっくり話したい。任務のことじゃなくて、ナマエ自身のことを」
その真剣な眼差しに、胸がドキッと跳ねた。
……私自身のこと?
もしかして異動? 人事の話?
「うん、私もクリスとゆっくり話したいなと思ってたよ」
仕事後に会う約束をして、また後でと別れた。
クリスからは、仕事の上がり時間が合うとこうして稀に食事の誘いをしてもらっている。わざわざ自由時間を私に使ってくれるということは、少しは期待していいのかな。
それとも、あの死の街をくぐり抜けてきたという特別な仲間意識?
***
私はクリスが好きだ。
クリスがSTARSの頃から私はこの想いを拗らせて、数年が経ってしまった。
クリスとジルと私は、共にラクーン事件をくぐりぬけ、生き残った数少ない仲間だ。
そんな経験もあってか、クリスは親密なパートナーをつくることを意図的にさけているというのを、以前同僚と話していた。
それもそうだ。私たちは大切な人を残して明日にでも死んでしまうかもしれない、BSAAという組織にいるのだから。
「諦められたら楽なのにな……」
「諦める?何をだ」
ため息混じりにポツリとつぶやいた言葉に、返事が来たので驚いて後ろを振りかえった。
「!!…なんでもないよ!」
「はは、そうか。待たせて悪かった。行こうか」
車のキーを持ったクリスのあとをついていく。
クリスへ想いを伝えて、もしフラれたら?
立ち直れないかも。
クリスも私も大人だから、何事もなかったかのように過ごしていくんだろうけど。
今はまだ、他の隊員より少しだけ親密なこのポジションに甘んじていたい。
***
レストランでの食事は、楽しいのにどこか落ち着かなかった。
クリスは時折何か言いたそうにしては黙り込んでしまう。
周りでは、週末ということもあり、ゆっくり食事をするカップルや夫婦で溢れていた。
私は居心地が悪くなり、つい空気をごまかすように口を開く。
「なんだか私たちもカップルみたいだね」
冗談のつもりだった。そうだな、なんて笑ってくれると思ったのに。
でもクリスは笑わず、ただ真剣に私を見つめていた。
その視線が心をざわつかせる。
――しまった。軽口すぎたかも。
「じょ、冗談だよ。あはは」
顔が熱くなる。取り消したいけど、もう遅い。
私の誤魔化しに、クリスは戸惑うように微笑んだ。
***
店を出たあと、クリスが「もう少し時間をもらってもいいか」と言った。車を走らせ、着いたのは夜のベイエリア。風が心地よく吹き、波の音が静かに響いている。
並んでベンチに腰を下ろす。
「……ナマエ」
やがてクリスが口を開く。
「さっきの言葉――俺は、冗談にはできない」
私は思わず彼を見上げる。
クリスは夜の街灯に照らされ、穏やかで、それでも決意を秘めた瞳をしていた。
「それって……」
「俺はおまえを仲間としてだけじゃなく……一人の女性として、大切に思っている。昔からずっと。」
突然の告白だった。自分の心臓がはじけそうなくらい早く動いているのがわかる。
ずっと望んでいたことなのに、隠してきた想いが大きすぎて。一言でも喋ったら、涙が溢れてしまいそうだった。
なんとかそれを押し込めて、私は言葉を続けた。
「私の心にはラクーンの頃から……クリスしかいないよ」
声が震える。
「だから、あなたの気持ちがとってもうれしい」
クリスはじっと、私の言葉に耳を傾けている。
「……でもクリスは、"自分はいつ死ぬかわからない。だから恋人をもつ資格がない"って、いつだったか仲間に話していたよね。私がクリスの枷になってしまうなら、この気持ちには蓋をして、明日からも同僚として働いた方がいいんだってその時思ったの」
だめだ、やっぱり泣いてしまう。
「だって、重荷になりたくない」
クリスはゆっくりと手を伸ばし、私の涙を優しく拭った。
「……ナマエ、それは違う。いや、確かにそう思っていた」
「………」
「俺たちはいつ死ぬかわからない仕事をしてる。誰よりも近くで、それを見せてきたと思う。
だから、誰かを傷つけるくらいなら一人で背負った方がいい――ずっとそう考えてきた。
でも……ナマエがいると俺は、『生きよう』と思えるんだ。枷なんかじゃない。むしろ、おまえを守るために俺は強くなれる」
なんて幸せなんだろう。
クリスの誠実な言葉が、私にじんわりと浸透していくようだった。
「ありがとう。
私は……あなたのその真っ直ぐなところに惹かれたんだよね」
「ここにくるまで、時間をかけすぎた」
「本当に」
クリスと私は顔を見合わせて、くすくすと笑った。
大人になると、どうしてこんなにも臆病になってしまうのか。
「これからは、お互いに隠さず伝えていこう」
「……うん」
「ナマエ」
静かな夜風の中、名前を呼ばれ、彼のたくましい腕に抱き寄せられる。
頬に落ちたキスは、優しくて、温かくて――。
ああ。ようやく伝わったんだ。
長い間、心の奥に閉じ込めてきた想いが。
「クリスとなら、どんな未来でも幸せだよ」
1/26ページ
