好きです

告白をされた

うん、オレもだよ

笑って答えたら

そうじゃない

と怒られた

誤魔化さないでください
もう子供じゃないんです

一生懸命に背伸びをして生きているキミ

分かっているよ、キミの目を見れば
どんなに真剣かって

誤魔化すなと言うが
だったら、どうすればいい？


気付かないフリをした
キミの気持ちに

気付かないフリをした
自分の気持ちに


キミは縋れる師への憧れ
オレは唯一残された弟子への愛着

そう言い聞かせてきた

それを越えてはいけない、と


男同士なんて男女の関係とは別モノ
深く考える事じゃない

そう笑い飛ばした豪快な師こそ
純愛志望であるのをオレは知っている


傷つけたくない
誰も

守りたかった
この世の全てからキミを


冗談です
先生の困った顔が見たかっただけ

そう言って微笑んだ

それで誤魔化しているつもりなのかい？

右目の奥が、独りぼっちで寂しいと泣いているのに

小さな背を向けるキミ

どうして放っておける？


傷つけたくなかった
誰も

守りたい
この世の全てからキミを


分かる？　カカシ
これは許されない事なんだよ

背後から強く抱きしめる

オレと一緒に堕ちる覚悟はある？

身体をこわばらせ、オレの腕にしがみつくキミ


ごめんなさい……ごめんなさい

泣きじゃくりながら
ここにはいない相手に許しを請う

繰り返し謝り続けるキミの姿に胸が締め付けられる

何度謝っても、許されるはずがない

二人が犯す、業



けれど不謹慎にも
そんなキミがとても愛おしかった




終わり