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*一方通行

オレ達はバカだ。

救いようのないぐらい。



うつ伏せで腰を高くしたカカシは、声を殺すようにして枕に顔を埋める。

お互い顔を見なくて済む、オレ達二人の性交体位。



オレはリンが好き。

リンが好きなカカシをオレが抱く。

報われない恋をするカカシはオレに抱かれる。


狂った関係図。

誰も得をしない。

幸せな結末なんて見えやしない。



しなる細い腰を力任せに掴み、オレは乱雑に動かした。



全てが黒一色の一方通行。

何処かの矢印を180度を変えることができたら、オレ達の未来は明るい色に変わるのだろうか?



「ふうっ、んああっ」

切なげなカカシの喘ぎ声が漏れて、オレは動きを止めた。


「バカだよな……おまえオレのこと、大嫌いなのによ」


上から投げつけた言葉に、カカシは首をねじるようにして振り向き、オレを見つめる。


「……バカはおまえだろ、オビト。何でそんなに泣いてんだよ」


誰の為に流しているのか分からないオレの頬の雫を、カカシは手を伸ばして拭った。




終わり
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