きっと、遠くを見つめる恋
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ネオポルテ学園の全校集会。
毎月体育館に全員集められ、教師陣からの共有事項、校長先生の話など、内容は様々。
入学してまだ2回目の集会のため、同級生もまだ顔と名前があやふやだし、先輩なんて名前もわからない。
(…にしても、始まる前だから騒がしいな)
まだ全校生徒が集まっていないのに、おしゃべりしている生徒の声が体育館全体に響いている。
まぁ、Vtuber専攻ってクラスがあるくらいだから、喋るのが好きなのは当たり前か。
早く始まらないかな、教室に戻って読みかけの本を読みたいな、なんて思いながら、視界に入る眼鏡の汚れが気になりだした。
こういうのって気になりだすと取れるまでやりたくなっちゃうんだよね…
耳から眼鏡をそっと外し、ハンカチで優しく拭きあげる。
(これはゴミかな)
なんて夢中になりながら拭いていたせいで、人がよそ見をして自分に近づいていることに気づかなかった。
「あっ」
ドン、と背中に衝撃。
手から眼鏡がカシャンと床に落ちてしまった。
「あ!わりー」
ぶつかってきた男子生徒はヘラヘラと友達と笑いながら謝り、そのままどこかに行ってしまった。
…全く。眼鏡って繊細だし、値段だって高いから気をつけてほしい。
ぶつかった男子生徒から視線を床に落ちた眼鏡に移すと、そこにあったはずの眼鏡が消えている。
(!?あれ!?)
キョロキョロと床を見回す。
「俺いまなんか蹴っ飛ばしたかも笑」
「気のせいじゃね」
近くから聞こえた会話に冷や汗が出た。
おおおおおいそれもしかして私の眼鏡!??!
遠くまで視野を広げると、視界に入る見慣れた眼鏡。みんなが並ばない通路にまで飛ばされてた。
(よかった〜)
走って眼鏡に近づき、手を伸ばす
「あ!ツルギまっー」
「んえ?」
パキン。
「あ…………………………」
目の前で、自分の眼鏡が踏まれる瞬間は初めて見た。
「うわ!!!!えこれ君の!???!」
踏んで壊した赤髪の男子生徒が声を出す。
「そう、です…」
「ほんとごめん!弁償します!!」
「いや当たり前な」
赤髪の男子生徒の隣から声をかけたのは、対照的な青髪の男子生徒だった。
眼鏡が無いから、顔立ちはハッキリとはわからない。今の私にはほぼ色しか情報がない。
しゃがんで眼鏡の状態を確認すると、レンズは両眼とも割れていて、フレームも歪んでしまっている。
「いまかけるのは無理か…」
「…もしかして、無いと結構きつい?」
青髪の方の生徒が心配してくれた。赤髪の方は片付けのために「箒とか持ってくる!」と掃除用具のある倉庫に向かったらしい。
「教室に戻れば、昔使ってた眼鏡があるのでしばらくはそれでなんとかします」
お気に入りでショックだったが、モノだからいずれは壊れると自分を納得させた。
「ところで君、新入生?」
「そうです。1-Aで…貴方達は?」
「あ、俺は2年の青桐エイト。眼鏡壊した赤いのは柊ツルギ」
「村瀬アキです…じゃあ私はこれで。片付けは柊先輩に任せていいですよね」
「ちょちょ、どこいくの?」
「教室に眼鏡を取りに…ないと今視覚情報が色しかなくて怖いんですよね」
「その状態で教室戻れる?まだ入学したてで場所うろ覚えじゃない?」
「そうですけど、眼鏡がないと」
「おーい、そろそろ集会始まるぞ」
先生の声でハッとする。
「先生、かくかくしかじかで教室戻ってもいいですか」
「いいぞ」
「俺も付き添います」
「え!?」
「いいぞ。柊には全校生徒の前でスクワット100回してもらうから」
(それはそれで見たいな)
「じゃあ行こっか」
「!…はい」
青桐先輩に手を引かれ、思わずドキッとしてしまった。
恥ずかしいけど、壁にぶつかったりする方がもっと恥ずかしいなと思い、引かれるがままついていった。
⭐︎
「ぅわっ!」
階段を登っている最中、ズルっと足が後ろに滑ってしまう。
どこが階段の境目なのか、見分けがつかない。
「!…大丈夫?」
「すいません…」
ずっと手を繋いでいてくれている青桐先輩のおかげで、ちょっと怖いけど怪我することなく階段もクリア。
この階段を登ったらもう1-Aだ。
「着いた!」
「よかった…えーとカバン…」
2人で教室に入り、私は自席のカバンを漁る。あった!昔使ってた眼鏡だ。
「先輩、ありましたよ!」
喜びと安堵感に浸りながら、眼鏡ケースから眼鏡を取り出し、すぐ装着した。
ゆっくり瞬きをして、先輩の方を見ようと顔をあげると
「良かった」
離れた位置にいた青桐先輩が、目の前で微笑んでいた。
さっきよりハッキリと、青桐先輩の目も、鼻も口も、わかる。
青桐先輩の顔、だ…
こんな表情、するんだ…
「っあ、ありがとう、ございました…連れてきていただいて…」
あまりにかっこよくて、目を逸らした。
「いいよ、もとはといえばツルギが眼鏡割っちゃったし」
「「……」」
「全校集会、戻る?」
「あ、そうですね!戻りましょう…か、眼鏡もかけましたし」
「…手、また貸そうか?」
「!い、いいです!!!」
毎月体育館に全員集められ、教師陣からの共有事項、校長先生の話など、内容は様々。
入学してまだ2回目の集会のため、同級生もまだ顔と名前があやふやだし、先輩なんて名前もわからない。
(…にしても、始まる前だから騒がしいな)
まだ全校生徒が集まっていないのに、おしゃべりしている生徒の声が体育館全体に響いている。
まぁ、Vtuber専攻ってクラスがあるくらいだから、喋るのが好きなのは当たり前か。
早く始まらないかな、教室に戻って読みかけの本を読みたいな、なんて思いながら、視界に入る眼鏡の汚れが気になりだした。
こういうのって気になりだすと取れるまでやりたくなっちゃうんだよね…
耳から眼鏡をそっと外し、ハンカチで優しく拭きあげる。
(これはゴミかな)
なんて夢中になりながら拭いていたせいで、人がよそ見をして自分に近づいていることに気づかなかった。
「あっ」
ドン、と背中に衝撃。
手から眼鏡がカシャンと床に落ちてしまった。
「あ!わりー」
ぶつかってきた男子生徒はヘラヘラと友達と笑いながら謝り、そのままどこかに行ってしまった。
…全く。眼鏡って繊細だし、値段だって高いから気をつけてほしい。
ぶつかった男子生徒から視線を床に落ちた眼鏡に移すと、そこにあったはずの眼鏡が消えている。
(!?あれ!?)
キョロキョロと床を見回す。
「俺いまなんか蹴っ飛ばしたかも笑」
「気のせいじゃね」
近くから聞こえた会話に冷や汗が出た。
おおおおおいそれもしかして私の眼鏡!??!
遠くまで視野を広げると、視界に入る見慣れた眼鏡。みんなが並ばない通路にまで飛ばされてた。
(よかった〜)
走って眼鏡に近づき、手を伸ばす
「あ!ツルギまっー」
「んえ?」
パキン。
「あ…………………………」
目の前で、自分の眼鏡が踏まれる瞬間は初めて見た。
「うわ!!!!えこれ君の!???!」
踏んで壊した赤髪の男子生徒が声を出す。
「そう、です…」
「ほんとごめん!弁償します!!」
「いや当たり前な」
赤髪の男子生徒の隣から声をかけたのは、対照的な青髪の男子生徒だった。
眼鏡が無いから、顔立ちはハッキリとはわからない。今の私にはほぼ色しか情報がない。
しゃがんで眼鏡の状態を確認すると、レンズは両眼とも割れていて、フレームも歪んでしまっている。
「いまかけるのは無理か…」
「…もしかして、無いと結構きつい?」
青髪の方の生徒が心配してくれた。赤髪の方は片付けのために「箒とか持ってくる!」と掃除用具のある倉庫に向かったらしい。
「教室に戻れば、昔使ってた眼鏡があるのでしばらくはそれでなんとかします」
お気に入りでショックだったが、モノだからいずれは壊れると自分を納得させた。
「ところで君、新入生?」
「そうです。1-Aで…貴方達は?」
「あ、俺は2年の青桐エイト。眼鏡壊した赤いのは柊ツルギ」
「村瀬アキです…じゃあ私はこれで。片付けは柊先輩に任せていいですよね」
「ちょちょ、どこいくの?」
「教室に眼鏡を取りに…ないと今視覚情報が色しかなくて怖いんですよね」
「その状態で教室戻れる?まだ入学したてで場所うろ覚えじゃない?」
「そうですけど、眼鏡がないと」
「おーい、そろそろ集会始まるぞ」
先生の声でハッとする。
「先生、かくかくしかじかで教室戻ってもいいですか」
「いいぞ」
「俺も付き添います」
「え!?」
「いいぞ。柊には全校生徒の前でスクワット100回してもらうから」
(それはそれで見たいな)
「じゃあ行こっか」
「!…はい」
青桐先輩に手を引かれ、思わずドキッとしてしまった。
恥ずかしいけど、壁にぶつかったりする方がもっと恥ずかしいなと思い、引かれるがままついていった。
⭐︎
「ぅわっ!」
階段を登っている最中、ズルっと足が後ろに滑ってしまう。
どこが階段の境目なのか、見分けがつかない。
「!…大丈夫?」
「すいません…」
ずっと手を繋いでいてくれている青桐先輩のおかげで、ちょっと怖いけど怪我することなく階段もクリア。
この階段を登ったらもう1-Aだ。
「着いた!」
「よかった…えーとカバン…」
2人で教室に入り、私は自席のカバンを漁る。あった!昔使ってた眼鏡だ。
「先輩、ありましたよ!」
喜びと安堵感に浸りながら、眼鏡ケースから眼鏡を取り出し、すぐ装着した。
ゆっくり瞬きをして、先輩の方を見ようと顔をあげると
「良かった」
離れた位置にいた青桐先輩が、目の前で微笑んでいた。
さっきよりハッキリと、青桐先輩の目も、鼻も口も、わかる。
青桐先輩の顔、だ…
こんな表情、するんだ…
「っあ、ありがとう、ございました…連れてきていただいて…」
あまりにかっこよくて、目を逸らした。
「いいよ、もとはといえばツルギが眼鏡割っちゃったし」
「「……」」
「全校集会、戻る?」
「あ、そうですね!戻りましょう…か、眼鏡もかけましたし」
「…手、また貸そうか?」
「!い、いいです!!!」
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