【LOVE】☆HOTELエーゲ海遊戯☆

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むかしむかし、あるところに、
兎さんと狼さんがいました。

狼さんは、HOTELエーゲ海の前で、車を止めました。

「満室やな」

「イヤーーーーーーーーーー」

車の中で、叫び声を上げる兎さん。

「今日は、ホテルエーゲ海のカルボナーラ(サラダ付き/980円)の気分だったのにーーー」

「まあ、どっか、空室のラブホ、あるやろ」

狼さんは、車を はっしん させました。
サザンビーチ沿いを、西に走ります。


「あ」

「お」


目に止まったのは、
まだ新しいレジャーホテル、『GOLD BALI』。


「いいわね、ここで。お腹もすいたし、ゴージャスそーだし。
ここにしましょ」

「おー、そーしょー。
このまま車ン中で、舐めてくれてもえーけどな」

「危ないでしょッ!」

殴られる運転中の狼さん。

空室状況を確認し、
駐車場に車を止め、エントランスをくぐり、
ロビーを通って、フロントへ向かうと、
客室は、タッチパネル式でした。

「わー♡このラブホテル、色々なお部屋があるー♡
おもしろーい♡」

「ほんまやなー」

「あ、このお部屋、可愛いー♡
天蓋付きのベッドだって♡
お姫様のお部屋みたーい♡

あ、でも、満室だわ。

あ、このお部屋、ステキー♡
プラネタリウム付きだって♡

あ、このお部屋もぉ」

「どこでも、好きな部屋でええで」

「あ、このお部屋、すごーい♡プール付きだって。
このお部屋にしましょ♡夏だし♡


─────って、な・ん・で、
タッチパネル、押させてくんないのよッ!?

どこでも好きな部屋でいいって、言ったじゃないっ!?」

力尽くで、タッチパネルを押そうとする、兎さん。

「待てぃ」

の、手を、力尽くで押さえる狼さん。

ピン、と、きた兎さん。お耳を、ピン、と、させます。


「あんた、水が怖いンでしょ?」


ぎくうっ


「何言ってるンだい、セニョリー……



あっ!?なに、その部屋にしようとしてンねんッ!?

イッてまうと、逝ってまうやろっ!?」

「逝かないわよっ!あんただけよっ!」

「あっ!この部屋にしょーや!露天風呂付きやて!
お前、露天風呂、好きやん!
お風呂でするの、好きやんっ!?」

「いや。その部屋、カラオケないもん」

「お前っ、なにしにラブホ来とんねん!?
カラオケしにかっ!?」

「そーよ!」

「あ、じゃ、じゃあ、この滝付きの部屋にしょーやっ!?」

「滝なんて、部屋にあってもしょーがないでしょ!?」

「お前、滝、好きやんっ!?」

「全然、好きじゃないわよっ!」


「コホン」

「「はっ」」


ふたりは、はっ、として見ると、
大蛇さんと小鳥さんのカップルが、
後ろに並んでいました。


「ども、すんまへん……」
「どーもぉ♡おほほほほ」


(こ、この部屋でええな)
(わ、わかったわよ)


兎さんと狼さんは、
『プール付き』のお部屋と、
『露天風呂付き』のお部屋と、
『滝付き』のお部屋の、
タッチパネルの上をとって、


『さすぺんしょん、十字架、すぱんきんぐてーぶる、
変形椅子、おーぷんといれ、木馬付き(カラオケ完備)』


の、お部屋のタッチパネルを押しました。

プールも露天風呂も滝もNGとなると、
もうその部屋しか、空いていませんでした。

あとは全部、満室でした。


最上階のお部屋に向かうエレベーターの中で、
我慢できなくなってしまった狼さんは、
兎さんのことを、甘噛みしました。

狼さんのことを、甘噛みし返した兎さんは、
もっと、我慢できなくなってしまいました。


兎さんと狼さんは、レジャーホテル『GOLD BALI』
(ご宿泊check in PM 10:00~check out AM 10:00/15770~円)で、あぶのーまる な ぷれい と、カラオケを、楽しみましたとさ。

めでたしめでたし。


☆HOTELエーゲ海遊戯light☆ 完

★references : http://www.hotelalphain.com/
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