☆百合遊戯☆四【※】

― 12 ―


「わー♡」

「なによ?」

「なんか世界が違って見えるー♡」

「あんたって、ほんと、おめでたいコね」

「月が、黄色く見えるー♡」

「月は、黄色いものよっ」


赤い手鏡を開き、髪の乱れを直しながら、柳宿は言う。


「えへへへへへへへ♡」

「美朱、顔のデッサン、くるってるわよ」

「えへへ♡ 好きな人に、処女、あげられて、幸せ♡」

「よかったわね」

「えへへ♡ 朱雀、呼び出した甲斐が、あるってものよっ」

「よかったわね」

(単純なとこは、かわいーかも)


柳宿は、ぱちん、と、二面鏡の手鏡を閉じた。


「そ・れ・に♡ 柳宿の、はじめて、もらえて、すっごく幸せ♡ えへへ♡」

「は?」

「『は?』」

「あら、アタシは、はじめてじゃないわよ?なに言ってンのぉ?決まってるじゃない」


「え?」


「アタシのはじめての相手は────────♡」


「え?え?えーーーーーーーーーー!!!???」


「それは────────♡」


「えーーーーーーーーーー!!!???」


「ちょっとぉ、騒ぐんじゃないわよッ!

アタシ、そんなモテない男じゃないわ!生まれてこのかたっ!

失礼ねっ」



「………───てよ」

「は?」

「……───してよ」

「は?」

「……───、返してよ」

「は?」

「柳宿のはじめて、返してよォーーーーーー!!!!!」


to be continued
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