☆百合遊戯☆壱【※】

─ 1 ─


木にもたれかかり、ハァハァと、押し殺した、苦しげな声を出す美朱。

…熱……上がってきたみたい

「美朱」

ひょい、っと、美朱の後ろから、長い髪を、半分は高い位置でふたつのお団子にまとめ、半分は低い位置でツインテールにした、女装姿の柳宿が声をかける。

「なんだ、柳宿か~」

「ねえねえ♡ エッチしたくてしょうがないんでしょ?手伝ってあげよっか?」

コソコソと美朱の耳元で言う柳宿。


「え、それって、、─────柳宿とエッチするってこと?」


「まっさかー♡第一、朱雀の巫女は、処女<おとめ>じゃなきゃ、ならないンだからっ」


「へー、そーなんだ~……って、えっ!そーなのっっ!?

って、なんで、柳宿、そんな巫女の身体事情、知ってるのぉ!?」


「うふふ♡

巫女とは生贄とかアイドルとかは、大概、そーゆーモンなのよ~♡

あたし、そーゆーの、だいたい、わかっちゃってるンだからッ♡」

「へ~」

「そ・れ・に♡ アタシ、女の子のカラダにキョーミないから」

「あ、そっか。柳宿、オカマだもんね。忘れてた」

「いーのよ。美朱、バカだもんね。ホラ、手伝ってあげるッ♡」

そう言って、美朱の制服のスカーを、めくろうとする柳宿。

「い、いーってばッ、─────ひとりでデキるもんッ!」


(はっ

ひとりでひとりエッチ、ひとりでデキるもんだなんてっ、ひとりでひとり、えっちな言い方して、ふたりエッチはデキないみたいな、ひとりえっちで、アタシのばかっ)

と、かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこみたいに、心の中で思う美朱。


「ふ~ん♡」

「な、なに?」

「じゃあ、シてみなさいよぉ、いつものよーに」

「いつものようにって~~~」

「見ててあげるから♡」

「見ててくれなくてい~~~」


と、言いつつ、天性の色気をたたえた、そのタレ目がちな大きくて美しい瞳に吸い込まれそうになるのと連動して、指が、自ずと自分のアソコに、吸い寄せられてしまう美朱。


(~~~ああっ、カラダが勝手にっ!!)


ぺたん、と、その場に座り込み、制服のスカートをたくし上げ、下着の中に両手を入れる。


(ハァ………柳宿って、女装してるけど、男の子で、イケメンなんだよね。

見られてると思うと、、感じちゃう)


「アッ、アッ、アッ、んんッ♡」


いつもより、激しく指を動かしてしまう。


「あ、バカ!そんな、激しく指を動かしたりてッ!

処女膜、傷つけちゃったら、大変じゃないッ!」

慌てて、美朱の両手首を掴んで、自分で自分を弄るのをやめさす。


「!?」


(柳宿………あたしのこと、心配して??)


「アンタが、処女<おとめ>じゃなくなって、朱雀、呼び出せなくなっちゃって、アタシが、本物の女になれなくなっちゃったら、どーしてれンのよッ!?

そーしたら、あんたに責任とってもらうから!!ばかっ」


(柳宿、なんて性格してッ………)


「あんたって、バカだとは、思ってたけど、ホント、バカねェ

オンナのクセに、女のコのカラダのコト、なーんも知らないなんてッ

どーせ、バカそーな顔で、性教育の授業、受けてきたンでしょ、ばかっ」


「バカ、バカ、言わないで~~」

「指一本、処女喪失の、もとなのよッ」

「そんな、標語みたいにして言われても~~」


頬を赤らめ、もじもじと、両手首をつかまれたまま、内太もも同士をこすり合わせながら言う美朱。

柳宿にとっては女の子の手首など、本気を出して掴むまでもない。

美朱も両手首を、頭の上で、片手でまとめて掴まれていても、別に痛くもない。


それに、どうせその手を振りほどこうとしてみても、柳宿様に、敵わないことはわかっている。いろんな意味で。


まさに、身も心も、お手上げ状態の格好の美朱。

柳宿の泣きボクロのある方の目が、キラリ、と、光る。


to be continued
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