ふしゆとお馬☆彡

ー1ー

「美朱っ♡リンゴ、半分に切ってあげたから食べなさい。リンゴは、『医者いらず』って言って、リンゴが赤くなると医者が青くなるって言われるほど、栄養価の高い果実なのよ♡一応病人なんだから、ちゃんと食べてしっかり栄養とらないとっ!

はいっ♡」

美「あ、ありがと…、もう半分は?」

柳「コッチは、お馬さんの♡馬にもあげなきゃかわいそうでしょー?」

美「あ、あたし、ソッチの、もう半分の方がいいな」

柳「は?別にいいけど」



馬 シャリシャリ…

美 シャリシャリ…



柳「せっかく、赤くて美味しそうな方、譲ってあげたのに」

美「ひゃって、ろくひんほはとほほって(だって、毒リンゴだと思って)。シャリシャリ」

柳「失礼ねーっ!人をお妃が化けた森の意地悪な魔女みたいにっ!アタシ、そんな、馬を危険な目に遭わすような真似しないわっ」

美(人を池に落とすような、意地悪な真似はするから)シャリシャリ



ー2ー

柳(さーて、美朱と愛馬はこれでヨシッと)

柳(あとは、陛下を、後宮の妃なのに、ビジンで可愛くて色っぽいだけじゃナイ、家庭的な一面で、お・と・す♡─────だけなんだけど、どこにいらっしゃるのかしらぁ?)

柳(あ、いらっしゃった♡)


柳「ほ・と・ほ・り・様っ♡おリンゴ、お剥きいたしましたの♡ウサギのかたちにっ♡

いいえ~♡陛下に仕える、後宮の妃である前に、ひとりの夫を愛す、ひとりの妻ですわ♡未来のっ♡ンも~♡妻のひとり、じゃなくってェ♡あたくしが正妃になったあかつきには、一夫多妻制の後宮なんて、とっとと解体、廃止ですわ♡

どーぞお召し上がりくださいましなッ♡」

星「私はよい。気持ちだけ有り難く頂戴する。それより馬たちにやってはくれぬか。

それと、馬 の手入れを頼む。白馬は汚れが目立つからな。美しい白毛の馬体を美しく保った美しい馬に、美しく騎乗するのも馬のあるじつとめ。

あ、あと、白馬は馬糞落し物のあとがシミになりやすいから、汚れた馬脚を洗ってもらえるか?そこの川下で」

柳「……」



ー3ー

鬼「お!リンゴじゃん、うまそー!食っていいか?」

柳「どーぞ、お好きなだけェ」

シャッ、シャッ、シャッ ←洗って乾かした馬をブラッシングしてる

鬼「あ」

柳「なによ?」

鬼「コレ、毒リンゴじゃねーだろーなぁ!?」

おわり
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