ふしゆとお馬☆彡


鬼「うーん。一点買いか3連単か3連複か」
柳「一点買いなら、世界ランクトップ、キタサンブラック産駒、トニービン血統、イクイノックス(4歳/牡)一強かしら?」

鬼「うーん。軸1頭流しか、軸2頭流し、か」
柳「ここ数年、牝馬の好走が目立つわよねェ。ジェラルディーナは馬券に絡んでくるかしら?」

鬼「うーん。」
柳「過去一度も、4歳馬5歳馬以外の一着はないけど、イクイノックス同様、トニービン血統のボッケリーニ(7歳/牡)は大穴、ってところかしらね」

翼「なんや、また、馬の話か」

柳「そ。たまちゃんと宝塚記念の予想してンの」

鬼「うーん。ワイドか枠連か馬連か…」

翼「ふーん」

柳(……)

柳「…。アンタって、意外と馬の話、ノッてこないわよね。『呑む(酒)、打つ(ギャンブル)、買う(女)』なんて、ケチな山賊が三度の飯より好きそーな話題じゃない。もしかして、『ギャンブルと女には関わるな』って、言われてンの?先代の遺言で」

翼「フンッ!いっちゃん強いヤツ当てたとこで、的中率は上がっても、回収率(※払戻金)はたいしたことないやろ。ま、イクイノ・・・・に不安要素がある言うたら、2200mが初なことと、ここ数年、SS(サンデーサイレンス)血統が、複勝率(※馬券に絡むこと)から遠ざかっとることだけちゃうか?あと、海外G1後初レースなこともあるか。よう分からんけど」

柳「よく分かってるじゃナイ」



鬼「100円が万馬券だぜ!?夢、あるよなーっ!

待ってろ、美朱!万馬券当てて、新婚旅行で熱海に伊豆の踊子号で連れてってやるぜ!ファーストクラスで!」

柳「たまちゃーん、伊豆の踊子にファーストクラスはないわよ」

翼「フンッ!」

柳「なによ?」

翼「金儲けに目がない たま はともかく、金に困らん織物問屋のボンボンまで夢中て、馬はコワいのーっ!」

柳「あら?競馬は、節度を持ってたのしむオトナの遊びよ♡

特に、宝塚記念は、『あなたの夢はなんですか?私の夢はサイレンススズカです。』の杉本清アナウンサーの名実況でも知られる、上半期最後の重賞で、年末の有馬記念と同じ、ファン投票で選ばれた10頭が優先出走する、みんなの夢が走り、みんなが夢を見るドリームレースで、みんなの夢の象徴なのよ♡アタシ、夢見るの大好きだしぃ♡

ちなみに、2023年の宝塚記念では、6番人気だったヒシミラクル(当時4歳/牡)に、単勝1222万円を賭け、2億円の高額配当を得た人がいて、巷では、『ミラクルおじさん』って呼ばれてンの♡まさに、夢と奇跡のミラクル・ラーよね(?)♡」

鬼「複勝転がし(※的中率の高い馬券を買い、払戻金をそのまま次のレースに賭け続け、倍々的に増やすこと)で、メインレース(※11R。この場合、宝塚記念)につぎ込んで…。単勝狙い…大穴狙い…。幸せな家庭…粗○の呪い…帰りの交通費…ぶつぶつ…」

翼「……」

柳「大丈夫よ。ギャンブル依存症の兆候が表れたら、腕輪を小手にしてでも、力尽くで止めるから」

翼「もう、ギャンブル依存症の兆候、表れてるんとちゃう?」


柳「アタシは、高額配当馬券当てたら、車、買い替えようかしらぁ♡黄色の『跳ね馬』♡それで、助手席にデルモみたいな可愛い女のコ乗せて、縦列駐車の練習しようかしらぁ♡」

翼「フンッ!たま も お前も、大金転がり込んでも、使い道がオンナやったら、あっちゅー間に溶けるだけやんけ。当たってのハズレても、夢、ないやん、ケケケ(笑)」

柳「なによ?夢なんて、見たり覚めたりすればいいじゃない。じゃ、あんたの夢は?アンタも、大金転がり込んだら、山でも買えばいいじゃない?占領した山で通行人から奪った荷物を通行料代わりにしてないで。私道となれば、正当な理由で通行料請求できるし、不動産にすれば節税対策になるし。温泉でも出れば、山賊がもてなす温泉地として観光収入も見込めそうだし。松茸が取れれば松茸狩りできるし、金が出れば金採掘できるし。あ、当たり馬券は課税対象だから、ちゃんと納税はしなさいよ。高額配当馬券当てたら欲しいモノとかないの?」

翼「─────山。


あっ!!?お前に言われたからちゃうで!?なんやねんッ、その目ェ!?馬券当たったら、山、買お、思うとったんやッ!?」

柳「はいはい」


鬼「でもよー、100円が万馬券なんて、夢のまた夢だよなー」
柳「ま、そーねェ」

鬼「史上初同一G1三連覇のかかる宝塚記念で、開始2秒で120億円を紙屑にした馬もいるしなー」
柳「2015年のゴールドシップね」

鬼「どの馬がきて、なにが起こるかなんて、誰にもわかンねーよなー」
柳「ま、そーねェ。フルゲート18頭立てとして、1着を当てる確率は18分の一だけど、3連単だと組み合わせは18×17×16で4896通り、確率は0.02%。今回の宝塚記念は、17頭立て4080通りで、0.025%。まさに、砂粒の確率よね。その確率を引き当てるなんてよっぽどの強運だし、その確率を計算で導き出すなんて、よっぽどの天才よね」

鬼「だよなー。そんな天才この世にいるワケねェよなー」
柳「この世にそんな天才いるワケないわねェ。ふぅ」


鬼柳「「あっ!!」」


鬼「いるじゃねェーか!紅南国一の天才が!」
柳「いるじゃない♡紅南国一の天才が!」

鬼「張宿に当たり馬券を予想してもらって、」
柳「その馬券を買う!完ペキな計画だわッ」

翼「近所の酔っ払いの家庭崩壊したオッチャンが、『競馬に負けん唯一の必勝法は、馬券を買わんことやー』、言うとったで」

柳「近所の酔っ払いの家庭崩壊したオッチャンの戯言たわごとと、朱雀七星ウチ士の叡智えいちを一緒にするンじゃないわよッ」




柳「─────と、言うワケで♡」

張「競馬の、必勝法、…ですか?」

柳「そ♡ね、張宿、おねがーい♡ちゃちゃっと解いちゃってよ、当たり馬券の方程式!」

鬼「なっ、張宿、頼むっ!このレースに、結婚、幸せな家庭、今月の生活費がかかってんだ」

翼「山、買うねん」

張「山、…ですか?」

軫「張宿、そいつらの言うこと聞かなくていいぞー」←通りすがりの軫


おわり
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